@「女系の家族」で父親として一番いいのはここにある「余計な口はできるだけ挟まない」ことかも知れない。家族で会話の仲間はずれになっていても気にする事なく人生を楽しむことかも知れない。だが、退職後の余生を楽しむ(旅、趣味など)のはずっと先なのだ。親の心配は子供たちの幸せだ。結婚、出産、孫の成長など親の心配事は止まる事もなく、年々増えるばかりなのだ。年取っても目まぐるしいほどの忙しさはいいものだ。 ただ、最後に思うことは自分が死と対面した時・・・家族はどう選択すだろうか。
#047女系の教科書
藤田宜永2022年3月
「概要」売り上げ不振の自責の念から勤めていた出版社の役員を辞めた森川崇徳、62歳。縁あって文芸講座の講師をつとめることになり、悠々自適のはずの退職後の人生かと思いきや、そうは問屋がおろさなかった。ある女性生徒に振り回され、家庭内では母親の介護に加え、思いのままに生きていく娘たちに翻弄される。崇徳の未来は何色になるのか。『女系の総督』につづく好評「女系シリーズ」
ー退職後の男の人生、女系の家庭にいる事で思うこと(shoseijyutsu)
余計の口はできるだけ挟まない、誰かの肩を持つような発言を軽々しくしない
適当に聞き流し火の粉が降りかかってこないようにする
無い物ねだりするのが女ばかりのおしゃべり
女はゴシップが好きで活気つける、程よいサプリなのだ
話が噛み合わずとも、静かに黙って過ごす YES/NOを敢えてはっきり言わない
ー子供たち(女4人+女の子孫2人)が親として頼るときだけ、態度をはっきりさせる。父親だけと言うのは難しい(母親の存在感も保つこと)
ー祖母の延命治療をどうするか、家族がまとまる一時(本人の意思は確認できない、治療にはお金も、介護する人の時間と苦労もかかる)家族の意見が分かれる。日記には「余命を楽しく生きたい。思い出に浸りながら笑って死んでいくのが一番」とあった。 結局、家族ができる限りの努力をして延命させることで家族全員が悔いの無い選択となった。
ー孤独な男一人、女家族(女系)に守られ、鍛えられ、元気が湧く小説だ。