5.教師が仮説実験授業をはじめる理由(実践者のアンケート結果と分析)
①アンケートの集計結果
仮説実験授業をやっている教師は、全国で何人くらいいるのだろうか。仮説実験授業研究会
会員は、1000名を超えています(当時)。仮説実験研究会会員だれでもなれるわけではあ
りません。研究実績を持たない人はなれません。仮説実験授業の会員の準機関誌といえるものに「たのしい授業 月刊誌、仮説社刊」があります。この読者は1万人を超えています。(最高時)これは、民間教育団体の雑誌としては一番多いのではないかといわれています。
そこから推計すると、一回でも仮説実験授業をやったことのある人は、全国には1万人近くはいると推定されます。全国の教員数は100万人といわれていますから、その1%は仮説実験授業の経験者ではないでしょうか。
そこで、仮説実験授業を実践している教師を対象に、次の2つの項目について、アンケート調査をしてみました。1997年の仮説実験授業研究会研修会の「夏の合宿研究大会(愛知県三谷温泉)で、参加者にアンケートを依頼しました。約600名の参加者で、そのうち61名から回答がありました。回収率は10%です。その分析を報告いたします。
【アンケートⅠ】
あなたが、仮説実験授業をはじめたのは、どのような理由からですか。
(複数の回答あり)
ア.教科書より効果があると思ったから・・・25人
イ.自分の授業がみじめだから、ワラにもすがる思いで・・・16人
ウ.周りでやっていて、生徒も楽しいそうであったから・・14人
エ.あまりにも生徒がつまらない顔をしているのがつらかったから・14人
オ.板倉聖宣氏の本を読んで・・・8人
カ.サークル等で進められて・・・5人
キ.入門講座を受けて・・・・・・3人
ク.自分が楽しいから・・・・・・3人
ケ.理論的に確信して・・・・・・1人
コ.その他・・・・・・・・・・・2人
その他の意見
・大変あれた学校で、信じられない子が、問題に反応してくれて、とても驚き、この授
業はすごいものがあると思った。
・新採のころ授業に大変難儀して、いろいろ本を探していくなかで、雑誌「ひと」数学
者・遠山啓編集代表とか、「極地方式」を経由して、仮説実験授業にひっかかった。
(つづく)