続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『地表面の耐久性について』

2015-11-24 06:24:05 | 美術ノート

 「水沢館長のギャラリートーク」(神奈川県立近代美術館/葉山)

 「彫刻というものは大抵は床上に高くある在るのが普通ですが、彼の『地表面の耐久性について』という作品では、このように低い位置を占め、俯瞰する形での鑑賞になっています。彫刻といえば、像を刻むという手法が主流ですが、彼の場合は見えない振動、いわば揺れのような現象を表現しています。体感した世界のモデルということです。」と、館長さん。
 かつて、作家と共に汗を流したことなども話されていましたが、現場主義のトーク、厚みがありました。


『地表面の耐久性について』
 耐久性といえば、地上の建屋についての耐久性を考えるのが普通である。
 地表面に対しての関心は通常薄いように思われるが、地表面と人工物(建屋)との融合性、安全が基本であることは間違いない。

 雨風嵐・地震・津波・・・水と空気の圧力に対する耐久性、重力は常に付加されている前提条件である。


 作品は基準を設けた間隔にボルトが打ち込まれ、絶対に大丈夫だというように抑止されている。
 半円形に盛り上がり縦列されたものは、河川(あるいは海)だろうか、蒸気ではなく氾濫を思わせる隆起は人為的に積み上げられた抑止がある。斜めになっているが、垂直の力に及ばない対抗エネルギー量である。
 ブロックを積み上げたような直方体、山のような形状にも人為的な形が見られる。これらは、生活圏の根拠ではないか。
 人間の存在を大地(地表面)に比した大きさで変換設置している。


 大地(地表面)を大きなボルトで抑止している、地表面に対する人智は、おそらく何らかの揺れ(天災)によってひとたまりもなく霧消してしまうのではないか。大きなボルト抑止の笑止。
 『地表面の耐久性について』は恐ろしいまでの予兆を秘めている。地表面に潜在する猛烈なエネルギーに、俯瞰の優位を持つ人間は耐えられるだろうか。怖れは振動となって見る者を脅迫する。


(写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)

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