雪月花 季節を感じて

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搗返し

2011年11月17日 | きもの日和
 
 主人の羽織用に購入した米沢紬の反物。精緻な入れ子菱の地紋にひかれたものの、青味の勝つ藍色が主人の気に入らず、思案の末、京都の悉皆屋さんに色かけ(引き染め)をお願いしました。

 「深みのある、黒に近い濃紺に」とお願いしてから、およそひと月。染め上がった反物は主人の希望どおりの色に生まれ変わりました。写真の手前がもとの色です。


 「濃紺」? それとも、これ以上深く染まらないという「留紺(とめこん)」でしょうか。横文字なら「ミッドナイト・ブルー」と呼びたいこの色にふさわしい表現はないのかしら‥と調べるうち、興味深い色名に出合いました。

 それが「搗返し(かちがえし)」です。
 「搗返し」は四十八あるという藍の色名のひとつで、かつては「別の色に染めた上から、さらに藍を染め重ねた色」(参照サイトはこちらです)を言ったのだそう。とすれば、まさに藍の上から藍を重ねたこの反物にふさわしい色名といえそうです。

 搗返しの色を羽織る主人の姿を想像しながら、羽裏を探しています。
 

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