立冬の候となり、ひと雨ごとに寒さが増します。
先月の画題は「からすうり」と「とうがらし」でした。
からすうりもとうがらしも色あざやかで、遠くからでもそれとすぐに分かりますね。じっさいに外で見かけるからすうりは、あたりが枯れるころ、木の枝などにからみついたつるからぶらさがる朱赤色の実ばかり目立つので、夏の夜に純白のレースを広げたような小花を咲かせることも、その葉の存在も、つい忘れがちです。
烏が好むというからすうりは、古名を「玉章(たまずさ=手紙のこと)」といって、その種子が結び文に似ているからだそう。(以上、水原秋櫻子著『俳句小歳時記』より) なんだか気になるので、見つけたら実を割って調べてみようとおもいます。
とうがらしは、お手本では朱色だったのですが、先日収穫した実物を見ながら臙脂と赤で色を出してみました。
ひとびとに寒さ来る地ぞ唐辛子 (村越化石)
今月は新年の干支の「たつのおとしご」と龍の字の「凧」を描き、賀状の準備を始めています。