世田谷経営改革クラブ

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第1章 第3説 第2項 東京DC特区構想

2008年02月24日 | 論文:世田谷地域をより良い街にする方法
 東京DC特区構想は、2007年4月政府の地方分権改革推進委員、猪瀬直樹氏より提案された構想である。

(1)東京DC特区構想の概要
 東京都は日本の代表で首都だから超一流企業が集中する。中央区、港区、千代田区の3区のあげる税収は莫大である。法人住民税、法人事業税、固定資産税のほか、勤め人の一流企業のサラリーマンが多く、個人の住民税も多い。だから、東京の努力の有無にかかわらず、地方自治体の中で東京が独り勝ちし、税収の偏在、格差を生んでいる。
 東京の年間予算は総額13兆円。韓国、オーストラリアなどの国家予算並みである。東京への税収の偏在は国家レベルで是正しなければならない時期に来ている。
 東京駅を中心に新宿駅までの約5kmを半径とした円の中を首都機能に特化した国直轄の東京DC特区にして「大政奉還」する。円の中には、中央省庁のある霞ヶ関、オフィス街の丸の内、日銀のある日本橋、六本木、お台場などが含まれる。DC特区内の税収は国直轄で、財政の苦しい地方自治体に回し、地域間格差を是正しようとしている。
 東京DC特区の範囲は、千代田区、中央区、港区、品川区、新宿区、江東区など、おおむね12区にわたり、人口は約300万人となる。猪瀬氏の計算によると、特区内の地方税収は3.3兆円(2004年度決算ベース)で、地方税収全体の約1割を占める。特に、法人2税は1.5兆円で、全自治体の2割を超えるとしている。

(2)東京DC特区構想の問題点
 東京DC特区構想は、補完性の原理からもNPM改革の面からも問題がある。東京DC特区構想は、住民の意思を全く無視し、国家の為に住民を犠牲にする面を持つので、補完性の原理に反する案であると考えられる。また、現実に、300万もの人口をどのように国家が直轄するのかも全く考えられていない点にも大きな問題がある。国の出先機関として、廃止された区役所がその役割を担うとしても、そのための予算がどこから出るかも不明確であり、区役所を完全に廃止して新たな機関を創設するとしても、そのための人員、予算をどうするかは不明確のままである。何より、300万もの人口を国家が一括で対応しようとするならば、NPM改革の観点から、効率的な行政サービスが提供されるとも考えられず、地域住民にとってメリットがあるとは思われない。
また、地方に東京都からあがった税収をばら撒いたところで、努力しないで地方政府の収入が増えるだけでは、今までの地方交付税の配分が増えるだけであって、地方政府が良くなることとは結びついていないと考えられる。


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