夕焼け金魚 

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蒲田の裏美人2

2017-08-18 | 日記
スカートを履いた人をホームに倒したという事は、私の中では恥ずかしい記憶です。
翌日、先輩から叱られると同時にあの人のところに謝りに行くから一緒に来いと言われました。
恥ずかしいのと、やっぱり謝らないと行けないとの気持ちで会いに行ったのです。
夕方、蒲田駅の裏通りを入ったところのお店に先輩に連れられていったのです。
カウンターだけのパァーでした。
当時は飲める方では無いのでこんな処は、初めて連れてこられました。
キョロキョロしていると椅子に座っていた女の人達が私の周りに集まってきたのです。
「この子なの、お姉さんホームに倒したという子」
「意外可愛い、私のタイプだわ」とか五人ほどの女の人に囲まれて、言いように言われたのです。
「あら、連れてきたのね」と言ってカウンターの奥から例の女の人が出てきたのです。
近くで見ても綺麗で、男なんて思えません。
本当に男なんだろうかと、思わず最初に聞いてしまったのです。本当に失礼な話です。
私は直立不動で「大変申し訳ありませんでした」と言って頭下げました。
あんなに頭下げたのはあれ以来無いほど下げた覚えがしています。
「まぁ、こうして頭下げているから許してやってや」と先輩が言ってくれてなんとか許していただけました。
彼女のお店が蒲田駅の裏通りにあることと、男であることから蒲田の裏美人という通り名が言われるようになったのです。
ところが彼女、私を倒した人なんて言い出して私を追い回すようになったのです。
大柄で目立ちますから、学校の校門の処に立っているだけで、学校中の噂になります。
最初は凄い美人だという事で噂になって、次に男だと知られて再度噂になるのです。
しかも、待っている相手が私だと知られて私がその趣味があるという噂にもなったのです。
ゼミの女の子からも「金魚さん、そんな趣味があったの。じゃ、私なんかに興味ないんだ」なんて言われるのです。
ほとほと困っていた頃、突然、彼女が現れなくなりました。
あれほど周りに来ていた人が、突然来なくなると、病気したのかと心配になるのです。
ところが、半年ほどして突然、結婚の報告が来ました。
彼女結婚したのです。
その相手が、実は私の学校の男子というか女子なのです。
彼女も性同一性障害者だったのです。
女だったなんて誰も気づかなかったそうです。
その二人が結婚したというのです。
一度だけ、蒲田のお店に行って彼氏というか、彼女というか、旦那様を見に行きました。
男らしい素敵な旦那様でした。
「貴方が妻を倒した人ですか」とジロジロ上から下まで見られました。
その二人が訪ねてきたのです。
この後は、また明日にでも。



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