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トゥルーマン・ショー

2020年05月02日 | 映画

Amazon Prime Video で鑑賞しました。1998年のアメリカ映画ですが、現代を予見するかのような内容。コメディテイストですが、背筋がぞくぞくとして、考えさせられる作品でした。

トゥルーマン・ショー (The Truman Show)

トゥルーマンは保険会社の平凡なセールスマン。しかし彼は自分の生活が少し変だと思い始めた。もし自分の人生が、実は“演出された作りもの”だったら…? 鬼才ピーター・ウェアー監督のもと、才人ジム・キャリーが絶妙な名演技を見せて絶賛されたヒューマン・コメディの傑作。(Amazon Prime Videoサイトより)

トゥルーマンというのは(作家のトルーマン・カポーティと同じく)実際にある名前ですが、true man とかけているのかな?と思いました。最初はトゥルーマンと同じく、おかしい... どういうこと?と思いながらも真相がつかめず、ずっともやもやしながら見ていました。

トゥルーマンの日常が、彼が知らないうちに勝手に撮影され、放映されているらしいことは、わりと早い段階で気がつきますが、終盤になって、この恐ろしい生体実験?が私が思ってた以上にとてつもないスケールで行われていたことがわかります。

人にもよると思いますが、私にとっては、真相がわかってからの方が、もやもやがなくなっておもしろく見れました。

人権的にも倫理的にも決して許されるべきことではなく、真相を知った時には恐ろしく、怒りさえ覚えましたが、よくよく考えると、プライバシーを切り売りしている現代の YouTuber のようでもありますね。

この映画が1998年に公開されたことを考えると、すごく先見性のある映画だったんだな~と思わずにはいられませんでした。さらに、プロットはフィリップ・K・ディックの1959年の小説「時は乱れて」(Time Out of Joint) から来ていると知って、思わず唸ってしまいました。

それと私が思い出したのは、以前 WIRED で読んだこちらの記事です。

地球は「宇宙人がつくる動物園」であり、世界はシミュレーションなのかもしれない (WIRED)

私たちは知らないうちに、既にトゥルーマンになっているのかもしれませんね。

 


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16 コメント

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☆ だぶるえんだーさま ☆ (セレンディピティ)
2020-06-04 00:29:56
だぶるえんだーさん、こちらにもありがとうございます。
人の人生をなぞる、というのはおもしろい試みですね。
とはいえ、人生は思い通りにはいかないので
結局自分の人生になってしまうような気もしますが。^^
心にいつもユートピア (だぶるえんだー)
2020-06-03 20:50:05
  若いころ読んだ翻訳小説で、意図的に他人の生涯をなぞる物語がありました。主人公は百年以上前の世界に飛ばされ、当時活躍した人とすり替わるのです(いろいろあり、その人の生涯を熟知しているんですよ)。その、当時活躍した人、謎の死を遂げていまして。主人公は悲惨な死なんて嫌だから途中でトンズラする気なんですが、結局最後までつきあう覚悟を決めるのです。史実通り謎めいた死を迎えようとするのですが・・・・・・・・大逆転。
  トゥルーマンショーに通じるものがありました。運命は変わることもある。
☆ だぶるえんだーさま ☆ (セレンディピティ)
2020-06-02 23:57:07
だぶるえんだーさん、こんばんは。
>ひとつの作品も、見る方向は様々ですね。
ほんとうにそうですね。
だから他の方の感想をお聞きするのは楽しいです。

人々を集めて集団で洗脳すると、そういうものだ
と思ってしまうかもしれませんね。

記事の最後に書いたシミュレーション理論も
思いがけない視点にはっとさせられました。
地球はほんとに丸いのか (だぶるえんだー)
2020-06-02 18:49:23
  ひとつの作品も、見る方向は様々ですね。考えさせられます。
  日本人の小説家が不気味な作品を書いているのです。荒廃した未来社会で、ある大金持ちが人を集めて19世紀のロンドンを再現する。住民は記憶を操作されていて、正真正銘19世紀ロンドンで暮らしていると思いこんでいるのです。以前ぼくが紹介した
「黄金の竜騎兵」
も日本人が書いたものでした。
   わが同胞は、皆心のどこかで、今生きている社会は贋物なんじゃないかと言う疑惑を感じているのでは。いや、日本人に限らず。
☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ (セレンディピティ)
2020-06-01 23:48:51
まだ~むさん、こちらの作品をご覧になったのですね。
この作品が作られた頃、ちょうどTVでリアリティショーが人気で
続々と作られていたそうで、当時はそんな時代の最先端をいく
作品だったのでしょうが、今の時代にも通じるものがあって
おもしろかったですよね。
私はジム・キャリー、たぶん初めてでしたが
まだ~むさんはマスクがお好きなのですね。
私もいずれ見てみたいです。

>子離れ親離れの物語
なるほど~、そういう見方もありますね。
私から見ると親子というより、ペットや実験動物のように思えて
ちょっと不快に感じてしまったのですが
コミカルな部分もあって、考えさせられるよい作品でした。
ようやく (ノルウェーまだ~む)
2020-06-01 17:13:44
セレンさん☆
ようやく気になっていた作品を見ました!
まるで現在のリアリティーショーみたいな話だったですね~
ジム・キャリーが実はあまり得意でなくて、(「マスク」は大好きなのですが・・・)彼の作品をほとんど見てこなかったのでしたが、本当に上手くて最後は泣けました!
非道なプロデューサー?が実はトゥルーマンを自分の息子の様に愛しているのだと判るシーンから、これは子離れ親離れの物語なのだなーと思いました。
☆ だぶるえんだーさま ☆ (セレンディピティ)
2020-05-05 09:53:43
だぶるえんだーさん、こんにちは。
ゴルゴ13シリーズ、勝手にハードボイルドアクションというイメージを抱いていましたが
こういうエピソードもあるのですね。
本作のラストも、主人公は真相を知って
軽やかに外の世界に踏み出していくのです。
人間は私たちが思っている以上に、強くてたくましいのかもしれません。
そうだ (だぶるえんだー)
2020-05-04 21:45:28
  ゴルゴ13シリーズにもこういうエピソードがありました。意外なことに爽やかハッピーエンドでしたよ。主人公は演出された世界から解放され(むしろゴルゴが脇役!!)新たな人生に踏み出すのです。主人公を見守る中国人青年もそれに引きずられていくのですが、引きずられる運命をむしろ喜ぶのです。それまでのはりあいがない人生に飽き飽きしていたので。この青年が一般人代表なのでしょう。
☆ 瞳さま ☆ (セレンディピティ)
2020-05-03 21:46:03
瞳さん、こんばんは。
瞳さんも、本作をご覧になられたのですね。
今だからこそ考えさせられる、なかなか深い作品でした。
ジム・キャリー、彼の明るさがこの物語を救っていました。
ほんとうだったら、もっと怒ってもいいはずなのに...
軽やかに世界へと飛び出していく姿が印象的でした。
妻や回りの人たちのわざとらしい演技もおかしかったですね。
また観たくなりました! ()
2020-05-03 13:53:32
こんにちは。

私も公開時よりかなり遅れて鑑賞しましたが、今観ても(今だからこそ)すごくいろんなことを考えさせられる作品ですよね。
ジム・キャリーがとっても可愛かったのを覚えています!(^^)!
彼の持つコミカルな表情や、動作、演じすぎてはいないけれども、でも決して素のままとはちょっとは違うような。
ドラマ向けのそのアクションが生かされていると感じました。
☆ きささま ☆ (セレンディピティ)
2020-05-03 11:21:18
きささん、こんにちは。
きささんは、公開時にご覧になっていらっしゃるのですね!
当時見たら、現実離れしたストーリーと思ったかもしれませんが
今見ると現代のネット社会に通じるものがあって
先見の明に驚かされます。

エド・ハリス、酷薄なキャラクターがはまっていましたね。
すごくよかったです。
☆ だぶるえんだーさま ☆ (セレンディピティ)
2020-05-03 11:13:42
だぶるえんだーさん、こんにちは。
なかなか興味深い作品でした。

>上司が実は機械
というよりは、人間が神の領域に踏み込んでいる...
といったらよいでしょうか。
でも、今のネット社会(誰でも人のプライバシーに入り込める)
にも通じるものを感じて恐ろしくなりました。
☆ ごみつさま ☆ (セレンディピティ)
2020-05-03 11:08:37
ごみつさん、こんにちは。
トゥルーマン・ショー、私もタイトルだけは知ってたのですが
こういうお話だったのですね~
なかなか深い内容で、おもしろかったです。
是非是非ご覧になってみてください☆

ジム・キャリー、私はたぶん見たのは本作が初めてと思いますが
天真爛漫のキャラクターで、ともすれば深刻になりそうなストーリーに
救いを与えていてよかったです。
「マスク」も気になります~♪
私も見ました。 (きさ)
2020-05-03 09:53:02
これ、公開当時にロードショーで見ました。
面白い映画でしたね。ジム・キャリーも良かったんですが、あの世界の創造主を演じるエド・ハリスの怪演が凄かったです。
確認は困難 (だぶるえんだー)
2020-05-03 07:52:01
ぼくもこの作品は未見です。ただ、少年時代に
「黄金の竜騎兵」
という作品を読み衝撃を受けました。思い出します。

ごみつさんのブログで、上司が実は機械であった(今まで上司だと思っていた人は傀儡)という小説を紹介したことがあります。それに似ているでしょうか。
面白そう~ (ごみつ)
2020-05-02 23:04:19
こんばんは。

「トゥルーマン・ショー」公開当時、かなり評価の高い作品でしたよね。

私は未見なのですが、記事を読ませていただくとホントに面白そう。近いうちに是非見てみようと思います。

ジム・キャリーは「マスク」を見てからファンになってしばら~く追っかけてたんですよね。楽しみ、楽しみ。

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