★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

タヌキモ

2009-07-04 07:55:59 | 野の花 - 夏から秋へ
Greater Bladderwort


昨日のインヴェントリーは Wainfleet Bog という湿地でした。ここも私はもう一年あまり来ていなかったのです。トンボや蝶も沢山飛んでいました。写真にうまく収めたのもあります。
今日の写真は私も始めて見る花で、Greater Bladderwort(タヌキモの一種)です。トレールが水浸しで行き止まり、湿りを含んだトレールは捏ね粉の上を歩いているようで靴を取られそうになるし疲れました。
もうそろそろ帰ろうよ、という頃、もう絶対に前進できないほどの浸水状態に出会いました。以前はその先まで行けたのだし、みんなの心の中には「もっと面白い物が見つかる筈だ」という思いがあって未練がましく水際を眺めていたのです。
誰かが小さな黄色い花を水の中に見つけました。
リックが命懸けで(大袈裟!)その花を確保しました。
Colfoot(蕗タンポポ) じゃない?と私。今頃咲くわけが無いのに。。
もしそうなら、I will kill you. という返事、それほど命懸けだったということです。
そうしてあの本だこの本だと検索が始まりました。長い時間を掛けて確認です。私はズルをして現場では調べません。他人が調べてくれるのを待っているのです。一つには目が悪く細かい文字を読めないこと。これが表立った理由です。真実は検索に何処から手をつけるか判らないからです。皆さん、わからなくても辛抱強くアレだコレだとページを繰っていますが、その忍耐が無いのです。その上、似たような植物だと根元の葉の形や、葉の裏の産毛(?)の有無など細かく確認していくのです。私は大人しく待って「結論出た?」です。
名前が判ったら帰宅後インターネットで検索です。
そして得た情報は:

英語名:Greater Bladderwort
学名:Utricularia vulgaris
和名:タヌキモの一種
エスペラント名:Utrikulario の一種

英語名は『より偉大なタヌキモ』という意味になりますが、タヌキモと呼ばれる草の数は多く日本にも良く似たものが何種類かあるようです。
水中に浮く草で、水面上に出ているのは花だけです。飛ぶ昆虫達に受精の手助けをして貰うのが目的なのでしょう。根は無く、長い茎が水中に広がり、その茎には毛細血管のような枝分かれがあり、そこには Bladder(捕虫嚢)と呼ばれる袋が無数についていています。その袋には小さな穴があり、そこから甘い香りの粘液を分泌して近づく微小水中動物をおびき寄せ袋の中に入ったところで消化してしまうのです。その袋や茎の状態はこちらのページUtricularia vulgarisで見ることが出来ます。

同じ水中の微小動物でもこの草が食べない虫もあり、ミドリムシワムシ類はその袋に宿を借りたりもするのだそうです。
人間の生活に直接の影響は無いとは言え、ボウフラなども食べてくれるので、共存を尊重すべき植物でしょう。
それにしても可愛い花ではありませんか?

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
serenaさん、こんにちは (polo181)
2009-07-05 11:47:31
ボウフラを食べてくれる植物なんて、見たことも聞いたこともありません。要するにこれは肉食の植物!随分と珍しいですね。日本の野鳥はせいぜい600種です。これくらいの数なら頭に入りますから、撮影行脚が続けられるのです。ところが、植物となると数千種に及ぶでしょう。これが、私を植物から遠ざけている元です。本音です。
たとえ、600種が (serena<poloさんへ>)
2009-07-05 19:36:10
半分の300種でも私には覚えきれません。
動き回る小鳥の行動を観察し辛抱強く機会を待つpoloさんの姿勢は私に真似の出来ることではありませんし、真似しようと言う気も起りません。ただ感心するのみです。
花を見つけた時の喜びは、特に始めてみる花のときは特別に恵まれている満足感があります。その喜びを分かち合える友が居るということも恵まれていることですね。