この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

新暗行御史第十一巻の秘密。

2005-05-21 23:57:49 | 漫画・アニメ
今日は髪を切ってきました。
それでですね、先日の愛知旅行の際かいわれにこういわれたんですよ。
「おめーはその髪型からしてダメなんだよ、今度床屋行くときは俺に電話しろ、俺が直接(カットする人に髪型の)指示するからよぅ」
そーいや、愛知ではかいわれには散々ダメ出し喰らったなぁ。
で、髪を切る直前、一応約束だから電話をしました。
かいわれ「あ、悪ぃ、仕事中だから」
・・・・・。
次に髪を切る時は日曜日に行くことにするのでそのときこそアドバイスよろしく、かいわれ♪

昨日に続いて今日も『新暗行御史』ネタ。
興味のない人、申し訳ありません。
少しだけ辛抱の程を。
今日『新暗行御史』の第十一巻を買ってきました。
昨日が連載誌であるサンデーGXの発売日なので、どーせなら同じ日に発売してくれよ、といいたいところですが、これが地方都市の悲しさといったところでしょうか。
それはさておき、連載漫画が単行本として発売されるとき、作品によっては手直しや描き加えなどがされることがあります。
まぁ作者なりのこだわりなんでしょうね。
自分は上述の通り連載誌と単行本、両方購入しているので差異をチェックしてみました。
ps.比較的大きな違いと思われるものは赤字にしています。

《Classic.19 曼荼羅華の夢part1~嘘~》
p3.曼荼羅華の振り仮名がGXではカタカナ、単行本ではひらがな。この違いは何?
p9.チラシが風に飛ばされる擬音がGXでは「ビュホッ」、単行本では「ビュッ」。個人的には前者の方が好き。
p27.文秀の持っているお金がGXよりも単行本の方が多い。笑。
p32、p33.ページが丸ごと入れ代わっている。
《Classic.19 曼荼羅華の夢part2~深い眠り~》
p45.一コマ目の、文秀の目の色。
p55.二コマ目に単行本では「わあああ」という擬音が加えられている。
p56.六コマ目の台詞、「誰だ・・・?」→「お前の知り合いか?」に差し替えられている。
p58.一コマ目に単行本では「バババッ」という擬音が加えられている。
p67.四コマ目に単行本では「ブオン」という擬音が加えられている。
p72、p73.GXでは下のコマにある台詞「邪魔するなって・・・・・いったはずだぜ!?」が単行本では上のコマに移動し、代わりに下のコマには「所詮は世間知らずってヤツか。」という新たな台詞が加えられている。
p75.四コマ目に単行本では「ババッ」という擬音が加えられている。
《Classic.20 根深き樹part1》
p119、p120.ページが丸ごと入れ代わっている。
p121.GXではここから以降《Classic.20 根深き樹part2》であるが、単行本では境目がない。なぜ?(パート分けした意味がなくなってしまう・・・。)
p143.三コマ目の台詞、「・・・聚慎をこの世で最も麗容なる“平和”という果実にする夢を・・・・・」→「・・・聚慎がこの世で最も麗容なる“平和”という果実を手にする夢を・・・・・」に。確かに前者では意味不明。笑。
p144.GXではバックに聚慎の王の横顔があるが、単行本ではそれがない。
p147.GXではここから以降《Classic.20 根深き樹part3》であるが、単行本では境目がない。
p157.(台詞はほぼ同じで)一ページ、すべて描き直し。別に手抜きでないのに!!
p171.四コマ目、「グイッ」という擬音が加えられている。
p179.三コマ目に「キィィィィン」という擬音が加えられ、また四コマ目GXでは「パチャア」という擬音が単行本では「ガガガガ」に差し替えられている。
p181.単行本では光輪の中に快惰天のシルエットがある。GXにはない。
といったところです。
ふぅ、疲れました。。。
まるで長時間間違い探しを続けた気分です。笑。
それにしてもさすがにこだわりの漫画『新暗行御史』、擬音の付け足しや変更などならともかく、一ページ丸ごと差し替えがあったのには驚きました。
単行本でのみ『新暗行御史』を追っかけている方は、差し替え前にどんな絵が描かれていたか、気になるのではありませんか?
というようなことがちょくちょくあるのでたまにはサンデーGX本誌の方も買いましょう。笑。

それから差異ではないのですが、元述の左耳にピアスがあったりなかったりするのは、、、まぁ愛嬌ですよね?笑。
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月刊サンデーGX六月号。

2005-05-20 23:57:47 | 漫画・アニメ
昨日の例のヘアメイクサロン、『Hair&Make 、GERO』、検索したらヒットしましたよ。
こちら。
あー、「GERO」と書いて「ジロー」と読むらしいです。
すいません、素直に読んじゃって、、、
つーか、読めねえって!!

ところで話はまーったく変わりますが、『DEATH・NOTE』(週刊少年ジャンプ連載中)、その名前を書いただけで書かれた人が死んでしまうノートを巡るサスペンスです、第二部が始まってからというものつまんなくなっちゃいましたね。
話を無理矢理盛り上げるために主人公ライトの好敵手である“L”を殺しちゃったのはいいものの、代役の二人が魅力に欠けること甚だしくて、一向に盛り上がる気配を見せません。
おそらく原作者も手詰まり状態なんじゃないかと思われます。
どのようにお話を展開させていいのやらがわからなくなっているのではないでしょうか。
少なくとも今現在の展開が連載開始時の予定だったとは思えません。
だとしたら第一話目に「二人の選ばれし者の壮絶な戦いが始まる」などといった煽り文句が書かれるはずがないからです。
とにかくいいたいのは広げた風呂敷を畳むのはとても難しいってことです。

さてサンデーGX六月号の『新暗行御史』、こちらも現在広げるだけ広げた風呂敷を畳んでいる最中です。笑。
読みきり掲載時からあちこちにばらまかれた伏線を回収中ってことなのですが、こちらは風呂敷、畳まれまくっています。
過去と現在がこのようにして繋がってたのか!と感嘆してしまいます。
本当にあの時点でこの設定を考えていたの???といいたくなるほど見事な回収ぶりです。(いや、考えていたはずがないんですけどね。笑。)
今後も『新暗行御史』から、目が離せそうにありません。
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迷信。

2005-05-19 23:57:55 | 蘊蓄・雑学
小郡の街中をドライブ中、そのお店を発見して、思わず目が点になっちゃいました。
そのお店とは『Hair&Make GERO』。
すいません、素直に読んでいいですか?
西鉄小郡駅から歩いて一分、小郡でヘアメイクが御必要な際は是非当店をご利用ください♪
(本当にあるんだって。。。)

閑話休題。
自分はまーったく迷信の類いを信じない人、です。
目の前を黒猫が横切ったからといって別にどうとも思わないですし、霊柩車を見たからといって親指を隠すこともないですし、蛇の抜け殻を財布に入れてたら金が溜まるなんてことも信じちゃいません。(ちなみに一メートルを超える蛇の抜け殻、持ってはいるんですけどね。欲しいという方、いらっしゃいますか?笑。)

よく「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」っていいますよね。
メジャーな迷信の一つといっていいでしょう。
でもこれって実は落語的な三段論法だって知ってました?
つまり、「夜、爪を切る」→「夜爪」→「世詰め」→「親より早死にする」→「親の死に目に立ち会えない」ってことです。(この場合四段論法ですね。笑。)
自分は普段、爪は夜切ります。
というか、風呂上りに切ります。
風呂上りが一番爪がやわらかくなっているので、切りやすいんですよ。
風呂に入るのは大体日が暮れてからなので、自然と爪を切るのも夜になっちゃうってわけです。
というわけで「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という迷信は気に掛ける必要はないと個人的に思っています。
ただし、そこに込められた先人の想い、そして戒めみたいなものは汲み取らなくてはいけないとも考えます。
昔は夜、爪を切ろうと思ったら、真っ暗闇では切れないですから、当然灯りを点さなければならなかった。
でも灯りのための油は当時は貴重品で、たかが爪を切るだけに使うのは非常に勿体なかった。
要は爪切りなんて昼間出来るんだから、明るいうちにやっておけ、ということですね。
無駄なことは出来るだけやめようというエコロジーの精神は現代にも通じるものといえるのではないでしょうか。
(というよーなことを自分が主張してもいまいち説得力に欠けるなぁ。。。笑。)

ps.「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という迷信の成り立ちについては諸説ありますが、自分がもっとも納得できるものを選択しました。
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風物詩。

2005-05-18 23:25:54 | 日常
八月の富士登山は残念ながらお流れとなってしまいました。
親父が生きてたら問題なかったんですけどね。
「お盆にお父さんが帰ってきて、あんたの顔が見れんかったら寂しかろ?」とお袋。
母上、親父殿は亡くなったからといって急に息子恋し、なんてふうに豹変するとは思えませんぞ?笑。
とはいえ、お袋の言ってることももっともだと思ったので、せっかくのたっちゃんの誘いを断ることと相成った次第です。
で、八月が無理なら、九月か十月はどーだろ、どちらにも三連休があるし、と思ったのですが、たっちゃんいわく、「期間外だぜ・・・」とのこと。
むぅ、さすがは霊峰富士、八月の終わりにはもう登山期間が終了するらしいです。
(自分は一年中登れるのかと思ってました。笑。)残念。

話は変わりますが、夏の風物詩と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
花火だったり、ひまわりだったり、アイスクリームだったりと、人それぞれだと思います。
自分は何といっても『パチンコ店の駐車場の車内で熱中症によって死亡する子供』、ですね。
この報を耳にするたび、あぁ、夏だなぁとウンザリしてしまいます。
あれって本当に何で毎年毎年後を絶たないんでしょうね?
一番悪いのは炎天下の車内に子供を置きっぱなしにする親に決まってます。
でもパチンコ店の責任が問われないのも自分にはとても不思議です。
駐車場で子供が死亡した場合、そのパチンコ店(及びグループ全店)は一ヶ月間営業を停止、ぐらいの罰則を設けたらそういった悲劇って避けられると思うんですけど。(そんな難しいことじゃないと思うんだけどなぁ。)

さて自分は夏の風物詩、といいましたが、実はもう熊本では早くも今年最初の犠牲者が出ています。
こちら。
まだ五月も半ばというのに、何ともやりきれないですね。
今年もまた暑い夏がやってきます。。。
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富士山。

2005-05-17 23:47:59 | 日常
えっと、どーでもいいことなんですけど、ただいま不幸自慢で連戦連勝中です。
私の方が絶対不幸だ!って自信がある方の挑戦、受け付けています。
ちなみに自分の携帯電話、この一ヶ月、
誰からのメールも受信していません。
まぁメールが来ない時期ってそんなものですよね?
そーゆーもんですよね?
そう思っておくことにします・・・。
それはさておき。
今夜唐突に盟友たっちゃんから電話が。(電話はごくたま~に掛かってきます。主に酔っ払ったたっちゃんや、あと予約していた本が入荷したことを知らせる本屋からとか。)
開口一番、「富士山登るぜ!」とたっちゃん。(当然酔っ払ってます。)
「え、何々」と聞き返す自分。
「だから、富士山だよ、富士山」と繰り返すたっちゃん。
「富士山がどうしたって?」
「わっかんないかなぁ、富士山は若いうちに登らなくちゃダメなんだよ(中略)わかった?」
わかりません。
何度か繰り返し話を聞いてるうちによーやく今年の夏に一緒に富士山に登らないかというお誘いの電話であることが判明しました。
そういえば、いつか富士登山したいもんだねぇって話したことはあったっけ。
それにしても富士登山を週末メシ食いに行くのと同じよーに誘うんだなぁ、たっちゃんは。笑。
まぁ返事は保留しましたが、前向きに考慮したいと思ってます。

ところで以前たっちゃんが九州に来たとき、久留米成田山ってところにいったんですけど、そこにある慈母観音像内部の階段を一番上まで昇っただけでヒィヒィと息を切らしていたたっちゃんを思い出すと、本当に富士山になんて登れるんかいな、、、と危惧せずにいられないことは、ここだけの話にしておきます。笑。
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赤いブーツとや~けに~♪

2005-05-16 23:56:29 | 雑事
本題に入る前に、一昨日のブログで、オーランド・ブルームの初主演作は『キングダム・オブ・ヘブン』ではない、と述べたところ、では何なのですか?というご質問を頂いたのでここでお答えします。
オーリー、幻の初主演作、そのタイトルは、、、『チャンピオン/明日へのタイトルマッチ』といいます。
その作品の中でオーリーは「子供の頃から毎日牛乳を1.5リットル飲んで、すっかり骨の丈夫な大人になった牛乳配達人」を演じています。(何だ、そりゃ。。。)
『キングダム・オブ・ヘブン』のパンフレットの、オーリーのプロフィールに載ってないのも納得。笑。
未見なので、どなたか既に見られた方の感想を聞きたいです。

閑話休題。
さて、ある人のブログを見ていたら、懐かしい名前を発見、おぉ!って思っちゃいました。
日を置かず、別の人のブログで同じ名前を見つけて、偶然?って少しだけ驚きました。
そしてつい先日、またまた別の人のブログで彼の名前があって、こりゃ、ブログで取り上げねば!と思った次第です。
その人とは他でもない、岡村靖幸
まぁここを覗いてくださる方の半分以上は彼の名前を聞いたこともないでしょう。
そーゆー人のためにざっと解説しておきます。
八十年代の終わり、独特のパフォーマンスと楽曲で、一世を風靡するとまではいかないまでも、一部の人たちにトラウマ、、、訂正、強烈なインパクトを与えたミュージシャンがいたんですよ。
それが彼、岡村靖幸です。
自分の中で彼の存在はもはや都市伝説と同様だったんですが、上述の三番目のブログで「岡村靖幸ファンクラブ解散」のことを知り、え゛、じゃあ今まで活動してたの???(←失礼な奴。)って仰天しています。
ちなみに『岡村靖幸』でGoogle検索すると、65300(!)ヒットしました。
う~ん、未だに熱烈なファンがいる模様、これだけの動員力を持つ(持ってるよね?)ミュージシャンと再契約しないのは勿体ないんじゃないの、吉本興業さん?と思います。
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ホテル・ルワンダ。

2005-05-15 14:34:58 | 新作映画
実は昨日、『キングダム・オブ・ヘブン』ともう一本、『バタフライ・エフェクト』という映画も観るつもりでした。
Tジョイ久留米のサービスカードが六ポイントたまって、無料で一本鑑賞できるとのことだったので利用しようと思ってたのです。
ところがチケット売り場でサービスカードを差し出したら、売り子のねーちゃんに、
「このカードは土曜・日曜・祭日ご使用できません・・・」といわれました。
一度も土曜、日曜以外に観に来たことない人間に平日利用を強要しますか!?
そのまま帰ってきちゃいましたよ。

観なかった映画のついでに、観れなくなった映画を一本紹介します。
その映画のタイトルは『ホテル・ルワンダ』。
1994年に起こったルワンダ虐殺についてのお話です。
虐殺といって有名なのはやはりナチスドイツがユダヤ人に対して行ったホロコーストですが、ルワンダ虐殺も決してそれに劣る(?)ものではありません。
ルワンダ虐殺についてここで詳しく述べるつもりはありません。
各自で検索して調べてみてください。
さて映画『ホテル・ルワンダ』が観れなくなったといいましたが、それはなぜかというと単純で、日本のどこの映画会社も配給しないから、です。
配給しない理由は何でも試写会の評判が良くなかったとか何とか、、、
バカいってんじゃねえ!!
映画って、単純に興行収入が望めるものだけじゃなくて、より多くの人に観てもらいたい、知ってもらいたい、考えてもらいたいって理由で公開しなくちゃいけないものもあるだろうが!っていいたいです。
自分は映画を観る理由として、まず日頃の憂さを晴らしたいから、というのがあって、普段は主に娯楽作品しか観ないのですが、それでも一年に一本か二本は「これ観たらきっと気が重くなるんだろうなぁ」と思いつつ観る映画があります。
今年はそれを『ホテル・ルワンダ』にしようと思ってたのに・・・。
最後に『ホテル・ルワンダ』のことを知った町山智浩氏の日記と、この映画のレビューサイト、及び詳細に解説されているanemoneさんのブログを載せておきます。
こうなると同じく町山氏の日記で取り上げられていた『売春窟で生まれついて』という映画の公開も難しいんだろうなぁ。。。
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キングダム・オブ・ヘブン。

2005-05-14 23:41:19 | 新作映画
『キングダム・オブ・ヘブン』を観てきました。

オーランド・ブルーム初主演作だそーで、あれ、そーだったかな、と首をひねったのですが、よく見ると初主演作でした。微妙ですね。笑。

ところでSF映画を極めるのは実は簡単だということをご存知ですか?
なぜならたった三本の映画を見ればいいのですから。
その三本とは何かというと、『2001年宇宙の旅』、『エイリアン』、『ブレードランナー』。(異論はあるでしょうけれど。)
三本のうち二本を監督しているのが他でもない、今作でも監督を務めるリドリー・スコット、二十世紀を代表する最も偉大な映画監督の一人と称しても過言ではないでしょう。
ただ、彼を単なる映画監督としてくくると時に差しさわりがあります。
なぜなら彼のことを映画監督ではなく、映像作家として捉えなければならない場合があるからです。
映像作家、つまり映画を、自らが望む映像を表現するための一手段としている芸術家ってことですね。
そのことは彼の長編商業映画第一作『デュエリスト』からも伺えます。
(もっとも単なる雇われ仕事だろ!っていいたくなる作品も多々ありますが。笑。)
『キングダム・オブ・ヘブン』はそんなリドリー・スコットの映像作家としての一面が如何なく発揮された作品といえます。

この映画は冒頭、主人公であるバリアンの妻の埋葬シーンから始まります。
しかしながらそこにバリアンの姿はありません。
普通だったらなぜ?と疑問符を挟みたくなるところですが、答えは簡単です。
そんなめそめそしている主人公の姿をリドリーが撮りたくなかったから、です。
バリアンの職業は鍛冶屋なのですが(『パイレーツ・オブ・カリビアン』に引き続いて!オーランド・ブルームってハリウッド一鍛冶屋が似合う男?)、なぜか最初から乗馬が達者です。
当時の鍛冶屋に乗馬というスキルが必須だったのかどうかは知りませんが、それは然して問題ではありません。
主人公が汗と泥にまみれ必死こいて馬に乗る練習をしているシーンなど映像作家としてのリドリーには興味の引くものではなかったのでしょう。
茶々をいれるようなコメントをしてしまいましたが、ようは『キングダム・オブ・ヘブン』は純粋に脚本だけ見ると穴だらけ、重箱の隅はつつき放題、物語として破綻している(これはいいすぎ?)といってよいのです。
が、しかし。
ひとたび映像に目を向ければ、これほど完璧なものはおそらく今後しばらくはお目に掛かれないでしょう。
エルサレムの城砦を囲む、サラディン率いる二十万のイスラム軍の迫力といったら!!
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの戦闘シーンも圧巻で、もはやこれ以上のものは到底望めないであろうと思っていたのですが、『キングダム・オブ・ヘブン』はそれをあっさりと上回りました。
それどころか、映像作家としてのリドリーの面目躍如といえるのでしょうか、『ロード・オブ・ザ・リング』では意図的に避けられていた残酷描写がこれでもかこれでもかと詰め込まれています。
もうこうなると賞賛の言葉すら思いつきません。

物語として破綻しているかもしれない、といいましたが、この作品に込められている反戦のメッセージそのものはハリウッド映画としてはすごく斬新で、共感できるものでした。
バリアン自身は和平派なのですが、推進派の引き起こした戦争の余波を被る形でエルサレム防衛に臨みます。
いつだって愚か者の引き起こした騒ぎで迷惑を被るのはごく常識を弁えた人間ってことなんですよね。

最後にキャスティング的にはエドワード・ノートンが熱演でした。笑。
これまた『ハンニバル』のゲイリー・オールドマンに引き続いて、いかにもリドリー・スコットらしい演出だなぁと思いました。
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『逃亡作法』。

2005-05-13 23:32:28 | 読書
東山彰良著、『逃亡作法』読了。

『四日間の奇跡』(浅倉卓弥著)の売上げが百万部を超える勢いだそうです。
さらに6/4から吉岡秀隆主演で映画も公開されるとのこと、この作品を第一回『このミステリーがすごい!』大賞に選出した選者の方々はさぞ鼻高々といったところではないでしょうか。
その『四日間の奇跡』と激しいデッドヒートを繰り広げ、大賞を同時受賞したのがこの作品『逃亡作法』です。(ただし『四日間の奇跡』が金賞、『逃亡作法』が銀賞。)
読む前にそれなりに期待したとしても当然といえば当然でしょう。

『逃亡作法』、ストーリーをざっと紹介すると、近未来の日本であるトラブルによって脱獄したアウトローたちの逃亡活劇、といったところでしょうか。

ところで自分は小説を買うとき必ずあとがきや解説などを読んでから買います。
邪道、といわれる方もいるかもしれませんが、こちとら大事な身銭を切って買おうっていうのだから、少しでも情報が欲しいのは当然。
解説でネタバレがあったとしてもまったく気にしません。
真の傑作であれば多少のネタバレなんて屁ともしませんからね。
逆にいえばネタバレがあって興味が半減するならその程度の作品だったってこと。
で、『逃亡作法』の解説で吉野仁って選者がこう書いています。
「前半のインパクトが強いわりに、後半になると登場人物や話が入り乱れて、(中略)改稿ヴァージョンは、すなわち本書は、ぐっと統一感が生まれている。」
こう書いてあると(初稿版では)前半部分は読者をぐいぐいと引っ張り、後半になるとややパワーダウンするが、(改訂版では)その欠点も解消されて、完成度の高い作品になった、というふうに読み取れませんか?
が、しかし。
自分はこの作品、最初の十三ページ目で挫折しそうになりましたよ。
何が書いてあるかというと囚人収容所の管理システムの説明シーンなんですけど、その説明をするのが腹話術師の十黒堂と人形のたっくんなんですよ・・・。
これには参りました。
たぶん、センスの問題だと思うんですけど、腹話術師の十黒堂ってのはちょっといただけない。。。
一事が万事この調子で、作者としてはおそらくクールに決めているつもりなのでしょうが、登場人物同士の会話といい、物語の展開といい、どこかずれていました。
印象に残ったシーンや会話とかも特になかったです。
これで四百万円がもらえるなら小説家という職業はちょろい商売なのかも、と思わずにはいられません。(実際はそんなことはないのでしょうけど。)

いただけないと思った作品の紹介だけではどーかと思うので、自分が面白いと思った作品も挙げておきますね。
どれも『逃亡作法』と同じくその作家のデビュー作です。

『オーデュボンの祈り』、伊坂幸太郎著。
《ストーリー》現代日本で未だに鎖国を続けている荻島。そこでは未来を見通せるカカシがいた。だがある日そのカカシが何者かによって殺され、、、訂正、壊されてしまう。カカシはなぜ自らの死を予見できなかったのか・・・?
こんな奇妙なミステリー、見たことも聞いたこともないです。
現代日本で鎖国?未来を見通せるカカシ?
そんなありえない設定でありながらちゃんとミステリーになってるんです。
読後の爽快感もグッド。

『冷たい校舎の時は止まる(上中下巻)』、辻村深月著。
《ストーリー》ある雪の日、学校に登校したクラスメイト男女八人は不可解な力によって校内に閉じ込められてしまう。やがて彼らは自分たちが誰かの精神世界にいるという結論に達する。そしてその誰かとは他でもない八人のうちの一人らしい・・・。
これまたありえない設定、というか何でもありの設定ですね、しかしながら何でもありの世界でありながら、逆に一本筋の通ったミステリーになってます。
何より学園青春物として秀逸。
自分もこんな青春を過ごしたかった・・・と思わずにはいられません。

『夏と花火と私の死体』、乙一著。
《ストーリー》九歳の夏のある日、私は木から転落して死んでしまう(!)。死んでしまった私はこれからいったい・・・?
自分が一番贔屓にしている作家である乙一の、十七歳の驚異のデビュー作。
以後コンスタンスに奇妙なお話をつむぎ続けてましたが、『GOTH』がヒットしたおかげで現在優雅に逃亡中。笑。

こんなところです。
しかしめっきり小説、読まなくなったなぁ。。。
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鉄子の旅。

2005-05-12 23:53:42 | 漫画・アニメ
愛知旅行で衝撃を受けた、まさ礼の言葉。
「おめーはよぅ、&%$や#!*と同系列に(周りから)思われてんだから」
&%$や#@*ってのは主にディオンのチャラ関係でオタクと思われてる人たちのことです。
げげ、マジっすか?
自分ってオタクと思われてるの!?
正直衝撃を受けましたね。
といってもオタクと思われるのがイヤだといってるのではありません。
自分の中での『オタク』の定義に自分自身が当てはまらないのです。
自分は『オタク』を「求道者」だと思っています。
他人に理解されようがされまいが、自ら信じる道を(つまり趣味を)ひたすら突き進む、そーいった人たちにこそ『オタク』の称号は相応しいのではないでしょうか。
翻って自分を鑑みると、、、むぅ、どの趣味も中途半端なよーな?
まず自分は映画オタクではありません。
確かに一般平均に比べたら多く映画を観に行ってますが、それは週末他にやることがないからですよ。
麻雀は四人、三十人三十一脚は三十人集まらないと出来ませんが、映画の鑑賞は一人でも出来ますからね。
それに「『ハウルの動く城』、六回観に行ってようやくこの作品が何を伝えたいかわかった気がします」なんて書いていらっしゃるブログを見ると、自分なんてまだまだだなーって思いますしね。
漫画オタク、、、ってわけでもないです。
月に買う漫画の単行本なんてせいぜい多くて五冊ぐらいですしね。
大概立ち読みで済ませちゃう。お金ないし。
でもお金ないしといいながら、そういえばUFOキャッチャーにはかなりはまってますね。
あれってオフェンス(お客)とディフェンス(お店)との高度な駆け引きの上に成り立っていると思うんですよ。
戦略、戦術、資金、すべてにおいて優位性を確立しなければ真の勝利は得られない・・・。
あ、立派なオタクじゃん。笑。

なぜそんなことを思ったのかというとですね、愛知旅行の際に『鉄子の旅』という漫画を買ったせいなんです。
この漫画はトラベルライター横見浩彦氏と漫画家菊地直恵女史が日本全国津々浦々の様々な鉄道を巡る旅、、、というと聞こえがいいけど、百三十円で一都六県を回ったり、ある路線を一日で全駅乗下車したり、そーゆー濃いのばっかり。笑。
けれど横見氏は鉄道オタクといわれるのをひどく嫌ってるそーです。
貴方が鉄道オタクじゃなくて誰が鉄道オタクなんですかっていいたいですが。
でも自分が東京に住んでたら絶対百三十円で一都六県大回り、チャレンジするんだけどなぁ。
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