この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

個人的に納得いかないものがあった『フリー・ガイ』。

2021-08-16 15:57:21 | 新作映画
 ショーン・レヴィ監督、ライアン・レイノルズ主演、『フリー・ガイ』、8/13、イオンシネマ福岡にて鑑賞。2021年34本目。

 この日観た二本目の映画は『フリー・ガイ』です。
 同日公開された『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』がDCコミックス原作で、「フリー・ガイ」がディズニー資本の20世紀スタジオ配給なので、ある意味DCコミックスとマーベルコミックの盤外戦といってもいいですね。
 まぁ興収的には『フリー・ガイ』の圧勝かと思われますが…。

 よく出来た映画だな、とは思いましたよ。
 過去の名作のパクリ、、、ではなく、オマージュにあふれた映画で、サングラスをかけると真実の姿が見えるのは『ゼイリブ』、ゲーム内のキャラクターが自我を持つのは『シュガー・ラッシュ』、都市が変容していく様は『インセプション』や『ダークシティ』etc、映画に詳しい人であればもっと多くの作品名を挙げられるんじゃないかな。
 
 でも、正直釈然としないものもあって。
 ぶっちゃけ『フリー・ガイ』って典型的なディズニー映画なんですよ。
 過度に残酷な描写はなく、勧善懲悪で、安心して子供と見ることが出来る、そんな映画です。
 そういう映画が悪いというつもりはないのですが、現実の世界でやりたい放題やっている、拝金主義のディズニーが、みんながみんなハッピーになれる映画を作っていることにすごくモヤモヤとしたものを覚えるというか。
 そんなに文句があるならディズニー映画を観に行かなきゃいいじゃん、って言われそうですが。汗。

 今述べたことは作品そのものとは関係ないモヤモヤですが、作品そのものに感じたモヤモヤもあります。
 主人公のガイはゲームのモブキャラクターで、ある日、ゲキマブな女性キャラを見かけて恋に落ち、自我に目覚めます。
 ガイとその女性キャラ、モロトフガールはキスをするまでの仲になるのですが、モロトフガールはモブキャラではないので現実の世界で彼女を操作するプレイヤーがいます。
 そのプレイヤーであるミリーは、最終的にかつてのビジネスパートナーであったキーズとくっつくのです。
 めでたしめでたし。

 めでたしめでたし?
 あれ、って思いません?(思わないかもしれませんが)。
 ガイにとってモロトフガールは運命の人だったはずなんですよ。
 その運命の人と永遠に結ばれることがないと知って、ガイはどう思ったのか?
 まぁ仕方ない?
 別の相手を探そう?
 俺のことをもてあそびやがって?
 そこら辺の心の葛藤や苦しみがこの作品ではまったく描かれないのです。
 その点もまたディズニーらしいと言えますが。

 そういった、他人にとってはどうでもいいと思われる理由で(yahoo映画をざっと見た限り、そんなことを気にしている人は皆無でした)、良く出来ているとは思うし、世間的には評価が高い作品ですが、自分は「フリー・ガイ」を高く評価しようとは思わないのです。

 お気に入り度★★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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