スティーブン・ダルドリー監督、トーマス・ホーン主演、『ものすごくうるさくてありえないほど近い』、2/19、Tジョイ博多にて鑑賞。2012年5本目。
生きるとはすなわち喪失し続けることである。
それはその人が死ぬまで続く。
が、我々は通常そのことに気づかない。
なぜなら人生の砂時計は砂の零れ落ちるスピードがあまりに緩やかで、その変化に気づきにくいからだ。
そのことに気づかぬまま一生を終えるのはむしろ幸甚であるのだが、時に人は、唐突に、そして望まずにそれを知らされることがある。
例えば大切な人を交通事故で喪うことによって。
例えば同時多発テロによって。
例えば未曾有の大震災と大津波によって。
映画『ものすごくうるさくてありえないほど近い』は911アメリカ同時多発テロによって父親を喪った少年オスカーの喪失と再生の物語である。
正直に言うと、自分はこの作品でそれほど心が動かされることはなかった。
自分がこの作品で心を動かされなかったのは、自分がこれまでの人生において、大切な人をある日突然喪う、というような経験をしたことがないからだと思う。
十年近く前に父を病気で亡くしてはいるが、父は家族に看取られて安らかな最期を迎えており、自分は父の死を悲劇と捉えてはいない。あるがままに受け入れ、混乱もしていない。
そこには当然喪失も再生もない。
自分は2011年の3月11日にに東北大震災が起きたことを知っている。
そして2001年の9月11日にアメリカ同時多発テロが起きたことも知っている。
しかしそこまでだ。
ニュースや人づてに話を聞いただけでは、決してテロの被害者や遺族、及び大震災の被災者の味わった喪失感を味わうことなど出来るはずがない。
だから、自分はオスカーの心情を完全には理解できないし、またこの作品で感動するということもなかった。
だからといって自分はこの作品を否定する気はさらさらない。
東北大震災からやがて一年が経とうとしているが、完全復興にはまだまだ遠く、被災者の方々の心の傷も癒えたとはとても言えないだろう。
大震災によって被災した人々にこそ、本作は是非観て欲しい。
自閉症気味だったオスカーが亡くなった父との絆を求め、ニューヨークの街へ一歩踏み出す姿は、そういった人たちに勇気を与えるのではないだろうか。
喪失感を味わったことがない自分にもそれを想像するのは決して難くはない。
お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
生きるとはすなわち喪失し続けることである。
それはその人が死ぬまで続く。
が、我々は通常そのことに気づかない。
なぜなら人生の砂時計は砂の零れ落ちるスピードがあまりに緩やかで、その変化に気づきにくいからだ。
そのことに気づかぬまま一生を終えるのはむしろ幸甚であるのだが、時に人は、唐突に、そして望まずにそれを知らされることがある。
例えば大切な人を交通事故で喪うことによって。
例えば同時多発テロによって。
例えば未曾有の大震災と大津波によって。
映画『ものすごくうるさくてありえないほど近い』は911アメリカ同時多発テロによって父親を喪った少年オスカーの喪失と再生の物語である。
正直に言うと、自分はこの作品でそれほど心が動かされることはなかった。
自分がこの作品で心を動かされなかったのは、自分がこれまでの人生において、大切な人をある日突然喪う、というような経験をしたことがないからだと思う。
十年近く前に父を病気で亡くしてはいるが、父は家族に看取られて安らかな最期を迎えており、自分は父の死を悲劇と捉えてはいない。あるがままに受け入れ、混乱もしていない。
そこには当然喪失も再生もない。
自分は2011年の3月11日にに東北大震災が起きたことを知っている。
そして2001年の9月11日にアメリカ同時多発テロが起きたことも知っている。
しかしそこまでだ。
ニュースや人づてに話を聞いただけでは、決してテロの被害者や遺族、及び大震災の被災者の味わった喪失感を味わうことなど出来るはずがない。
だから、自分はオスカーの心情を完全には理解できないし、またこの作品で感動するということもなかった。
だからといって自分はこの作品を否定する気はさらさらない。
東北大震災からやがて一年が経とうとしているが、完全復興にはまだまだ遠く、被災者の方々の心の傷も癒えたとはとても言えないだろう。
大震災によって被災した人々にこそ、本作は是非観て欲しい。
自閉症気味だったオスカーが亡くなった父との絆を求め、ニューヨークの街へ一歩踏み出す姿は、そういった人たちに勇気を与えるのではないだろうか。
喪失感を味わったことがない自分にもそれを想像するのは決して難くはない。
お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
それほど多くは無いけど喪失してきましたからね…。
でも再生出来るのは強さを持ってるからだと思いますよ。
弱い人間には再生は難しいです。
そういってもらえて、とても嬉しく思います。
自分は、本文にも書いてある通り、大きな喪失感を味わったことはないのですが、気がつくと周りに誰もいないって感じで、いつも虚無感を抱えて生きています。
だからこそ、こうやって、相手をしてくれるねこさんの存在は稀有なんですよね。
絶滅危惧種なので大事にしなくっちゃ!
>弱い人間には再生は難しいです。
再生、、、出来てるのかなぁ。
何に対して、ってわけではないのですが、傷が癒えてるって気がしないんですよねぇ。。。
喪失してからでは遅いですし今を大切にしなきゃいけないと思ってます。
絶滅危惧種ってそんな存在なんですか…?(笑)
癒えぬ傷があると人は弱くなりますけど、逆に強くなれる人もいますよ。
願わくばせぷさんもそうでありますように。
まぁそれぐらい貴重だってことを言いたかったんですよ!!ほんとほんと!!
>癒えぬ傷があると人は弱くなりますけど、逆に強くなれる人もいますよ。
一人では心の傷って癒えずに腐っていくばかりだと思うなぁ。
そばに誰かがいてくれるからこそ、このままじゃいけない、前に進まなければ!!って思うのではないでしょうか?
そう考えるのは自分が甘えっ子だから???
違うと言ってくれぇええええ!!!