この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『SUPER8/スーパーエイト』、この夏一番のお薦め!!ではあるものの…。

2011-06-25 22:45:20 | 新作映画
 J.J.エイブラムス監督、『SUPER8/スーパーエイト』、6/25、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2011年21本目。

 
 まず断っておくと、自分はこの映画がすごく好きです。
 主人公を始めとしてキャラクターが皆魅力的だし、伏線の張り方も巧みだし、中弛みのない展開も見事だし、 作品全体を覆う雰囲気や鑑賞後の充足感もいうことないし、エンドロールのおまけもいいな、って思うし、自分はこういう映画を観るために映画館に通っているといっても過言ではありません。

 もし、この夏、一本だけ映画を観るとしたら何がいいかと聞かれたら、自分は自信を持ってこの映画を推します。
 親子で観に行くのもいいし、カップルで観に行くのもいい、もちろん一人で観に行ってもいい(自分ですけどね)、老若男女にお薦め出来る映画です。

 ただ、完璧!!とまでは残念ながらいかなかったかな。
 本作は鉄工所の掲示板の連続無事故記録が「784日」から「1日」に付け替えらるシーンから始まります。
 次にカメラは一人の少年がぽつんと雪の中、ブランコに座っている姿を映し出します。
 そこから自分は、そっか、少年の父親が鉄工所で何らかの事故に合って亡くなったのだな、と思いました。
 が、違うんですよ。
 亡くなったのは父親ではなく母親なんです。
 自分はこれには「え?」と思っちゃいました。

 現代の日本の鉄工所で、女性が重要な働き手となっていることは自分は事実として知っています。
 しかし、本作の舞台は30年前のアメリカなんですよね。
 その頃のアメリカにおいて、男の職場と目される鉄工所に女性が働いているものだろうか、と疑問に思いました。
 
 それに、どう見ても少年の父親は妻が外に働きに出かけるのを歓迎しないタイプに見えます。 どちらかというと、世間体を気にするタイプ?妻が働きに出れば、収入が少ないんじゃないかって周りからは思われるでしょうからね。
 
 少年の母親が働きに出ていた鉄工所で事故に合って亡くなった、という設定がすごく不自然に思えました。

 それから、、、本作では主人公たち一行は自主映画の撮影の最中に列車事故に出くわします。
 この列車事故の映像が本当に凄まじいんです。
 これまで映画で観た列車事故のシーンの中で一番すごいんじゃないかって思えるぐらい。
 この映画、一番のスペクタクルシーンです。

 しかし、その列車事故を引き起こしたのは、主人公たちの学校の理科教師が、トラックに乗って列車の正面からカミカゼアタックを仕掛けたから、なんです。
 これは、、、おかしいですよね。
 列車が何両編成なのかははっきりとはわかりませんが、それでも、それなりのスピードを出していた列車であれば、カミカゼアタックを仕掛けてきたトラックなんて一撃で弾け飛ばすだけじゃないでしょうか。
 明らかに物理法則を無視してるように思えました。

 その他にも、地中にあれだけ穴倉を張り巡らしたのであれば、その土はいったいどこに持っていったんだよ、とか、いろいろ突っ込みたいところはあったりするのですが、でもそういった突っ込みどころはそうじゃないとお話が進まない、ということも充分承知はしていますし、作品の面白さそのものを損なうものでもないんですけどね。

 でも、やっぱり惜しいかな。
 そういった重箱の隅的な突っ込みどころがなければ、この夏一番どころか、それこそ本年度最高傑作になり得たかもしれないので。


 お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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8 コメント

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Unknown (E)
2011-06-26 09:42:13
この映画みたいんですが、きっとDVDがレンタルされてからかなぁ。
レンタルされたら、ブラック・スワンとこれは絶対みます!!!
この監督の、シンドラ-のリストってみたことありますか?みてみたいなぁって思ってるんですが、面白いかな~。
残念ですね。 (せぷ)
2011-06-26 11:18:47
『ブラックスワン』と本作は劇場で観ても決して損はないと思うので、観に行けないのは残念ですね!

ところで『シンドラーのリスト』の監督はスティーブン・スピルバーグです。
スピルバーグは本作では製作に名を連ねています。
製作が何をする人なのかはいまいちよくわからないんですけど、プロデューサー、たぶん、お金を調達する人のことですね。
監督と同じぐらい、いや、ときには監督以上の権限を有しています。
製作が現場に口を挟んで作品がめちゃくちゃになることもあるようです。
そういった意味ではスピルバーグが製作であるのは映画監督にとって幸せなことなんじゃないでしょうか。

ところで、『シンドラーのリスト』は未見です。
スピルバーグの作品はこの他『カラー・パープル』、『オールウェイズ』、『太陽の帝国』、『未知との遭遇』(!)も見てなかったりします。
この際だから、Eさんにお付き合いして見てみようかな?
Unknown (E)
2011-06-26 13:27:22
いいですね!
みましょう、みましょう!
でも、早速借りに行ったんですが、家の近くのゲオは全てレンタル中でしたぁ(:_;)やっぱり人気がある作品なんですね。ますますみたくなりました。
私、せぷサンは映画が好きな方なので、ほとんどのDVDはみたことあるんだ、と勝手に思っていました(^_^;)

せぷサンは本当に映画に詳しいんですね~☆私は外人の顔が、ほとんど同じにみえてしまうくらい無知なので恥ずかしいです…。


いいですね! (せぷ)
2011-06-26 17:34:23
いいですね!
七月はスピルバーグ月間にしましょうか。笑。
Eさんが何を見たか報告してくれたら、それに続けて(多少遅れはしても)借りてきて、鑑賞しますよ。

それまでもまったく観てなかった、というわけではないのですが、今のようなペースで観るようになったのはブログを開設してからですね。
映画を一本観れば一つブログのネタになるわけで、、、それでリョッダさんとも知り合えたんです。
でも最近はリアクションも少ないんで、映画をネタにすることに多少の空しさを感じたりしてますが。。。
Unknown (achi)
2011-06-27 00:26:34
どうでしょうね。
日本に比べて女性の労働者は珍しくないのではと思うのですが。
ラースフォントリアーの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』では主人公は工場で働いていましたし、同僚にも女性はいくらかいました。
そちらは貧困層という違いがありますが・・・。

ただそれよりも少年がエイリアンを説得できたことが理解できませんでした。
人間に幽閉されて凶暴化したエイリアンがあんな同情で人を許せるものなんでしょうかね?
女性労働者。 (せぷ)
2011-06-27 20:43:13
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の職場は繊維工場じゃなかったですかね?
ともかく、男社会という感じはしませんでしたね。

女性が、偏見や差別を乗り越え、男社会で自らの権利を勝ち取る、そのものズバリな映画としては『スタンド・アップ』という作品があります。
この作品の職場は鉱山ですが。。。

>人間に幽閉されて凶暴化したエイリアンがあんな同情で人を許せるものなんでしょうかね?
エイリアンには何らかのテレパス能力があったのでしょう。
ウッドワードもエイリアンと理解し合えてましたし、主人公の少年が瞬時にそうなったとしても特に不思議には思いませんでした。
Unknown (E)
2011-06-28 21:48:49
シンドラ-のリスト、みたら必ず報告しますっ!
ただ、実は7月から仕事をするので、更に忙しい日々をおくることになりそうです。でも必ずみますよ(^^)
小さい子供がいて仕事することは不安ですが、住宅ローン支払いと、ディズニーランドに行くため(笑)にも、がんばりたいです!
自分が、 (せぷ)
2011-06-28 22:27:54
『シンドラーのリスト』、自分が先に見てもいいんですけどね。笑。
まぁでもやっぱりEさんが見てから見ることにしましょう。

七月から仕事を始められるのですか?
どんな仕事をはじめられるのでしょう?
まぁどんな仕事にせよ、楽な仕事なんてありません。
お子さんたちはEさんと一緒に過ごす時間が減ったらきっと寂しがることでしょう。
でも、きっとわかってくれると思いますよ、ママが自分たちのために頑張ってくれてるってことが!

どっちかというと寂しくて耐えられないのはEさんのコメントに頼りっぱなしの自分の方かもしれません。笑。

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