この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

読み終わるまでに非常に時間がかかった『火星に住むつもりかい?』。

2015-04-07 22:42:59 | 読書
 伊坂幸太郎著、『火星に住むつもりかい?』読了。


 面白かったです。読み終わってとても満足しました。
 ただ、読み終わるまでに非常に時間がかかりました。
 というか、途中で後から出た森見登美彦著『有頂天家族 二代目の帰朝』の方を読み出しました。

 何でこんなにも読むのに時間がかかったのか、理由は単純で、序盤に(『銀河鉄道の夜』に非ず)鬱々とした展開が続くからです。そりゃ無実の人間が断首されるシーンなんて読みたくはないですよ。

 まぁでも途中から「真壁」というとぼけた感じの刑事が登場してからは重い雰囲気ではなくなりましたけどね。真壁はなかなか魅力的なキャラクターだと思いました。

 いろいろツッコミどころはある作品だとは思います。
 いくらなんでも公衆の面前で無実の人間をギロチンで処刑するような社会が訪れるとは思えない。
 正義の味方が用いる武器もイマイチ現実味に欠ける(銃の狙いを外すほど強力な磁力であれば一度くっついたら人間の手で外せるとは思えない)。
 クライマックスもかなり無理がある気がします。

 それでも自分はこの作品が好きですけどね。
 正義の味方の正体は自分には意外だったし、それなりにハッピーエンドではあるし、いろいろ考えさせられることもあったしね(それを上手く言葉にすることは出来ないけれど)。
 共著である『キャプテン・サンダーボルト』ほどではないにしてもまずは十分満足出来る面白さでした。
 次回作もこれぐらい面白いといいんだけどな…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする