この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

シャーロック・ホームズ。

2010-03-16 22:03:19 | 新作映画
 ガイ・リッチー監督、ロバート・ダウニー・jr主演、『シャーロック・ホームズ』、3/14、TOHOシネマズトリアス久山にて鑑賞。2010年11本目。

 コナン・ドイルの原作にもジェレミー・ブレット主演のテレビドラマにもさして思い入れのない自分はそこそこ楽しめましたが、熱烈なシャーロキアンであれば怒り心頭に発するに間違いないでしょうね。
 それぐらい本作のホームズはオツムが弱いです。
 ブラックウッド卿の擬死は見抜けないし、峰不二子的な悪女アドラーから勧められた薬入りのワインは一気に呷っちゃうし、秘密工場に乗り込めば罠に嵌って危うく爆死するところだし、到底「名探偵」という冠はつけられません。

 まぁでもそういうお馬鹿なホームズも個人的には嫌いじゃないです。
 薬を盛られたホームズが翌朝ベッドに真っ裸で縛られているところをメイドに発見されるってシチュエーションはやっぱり馬鹿馬鹿しくて笑えます。
 アクション映画としての出来も決して悪くない。

 ただ、単純な娯楽作品の割には本作は上映時間が長いんですよね。単に上映時間が長いってだけでなく、冗長な感を受けます。
 例えば、序盤の格闘シーンで、ホームズは、相手の戦闘力を分析し、頭の中で一度戦闘をシミュレートしたあと、(シミュレート通りに)相手をぶちのめすという戦い方を見せます。
 そういうものを見せられたら、そっか、なるほど、この映画のホームズはそういう戦い方をするのだな、と思うじゃないですか。
 でもそれ以降の格闘シーンでは、もちろんクライマックスにおいても、そんなシミュレーションは一切無し。
 あの演出は一体何だったの?意味ないじゃん!!といいたくなりました。

 そういった意味不明な演出がそこかしこに見受けられるので、それによって作品のキレが失われ、結果冗長な印象を受けるんだと思います。
 長編デビュー作『ロック・ストック&トゥ・スモーキング・バレルズ』のようなキレのよさ、言い換えれば無駄のなさは本作では望めません。

 まぁ前述の通り、頭を空っぽにして観る分にはそこそこ楽しめるので、デート・ムービーとしては適しているといえるのではないでしょうか。
 でも個人的にはバリー・レビンソン監督の『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』の方がはるかにドキドキワクワクして百倍ぐらい楽しめると思いますけどね。

 気に入り度は★★★、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (3)
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