この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

20世紀の幽霊たち。

2008-11-27 22:09:11 | 読書
 ジョー・ヒル著、『20世紀の幽霊たち』、読了。購入本。

 新聞やネットでの書評でやたら評価が高かったので(朝日新聞の書評で取り上げられたためAmazon.co.jpなどでは同書の品切れが一週間も続いたそうです)、試しに読んでみました。
 実にバラエティに富んだ幻想小説の短編集でした。
 『悪魔のいけにえ』的ホラーあり、カフカ的な不条理なお話あり、マジック・リアリズムあり、ノスタルジーに充ちた短編あり、なるほどこの短編集に最大限の賛辞を送る人がいるのも頷けるものがありました。
 ただ、個人的にはそこまで気に入らなかったかな。
 イマイチ意味がわからない作品も多くて、、、思わせぶりな終わり方って自分の好みじゃないんですよね。

 それでも中にはいいな、と思える作品もあって、その一番手は『ポップ・アート』。
 二人の少年の友情物語、つまり映画でいえば『マイ・フレンド・フォーエヴァー』みたいなお話なのですが、このお話の何が奇矯かというと一方の少年が風船人間なんです(風船人間といっても馴染みがないので、自分はダッチワイフをイメージして読みました。たぶん当たらずといえども遠からずだと思います。)。風船人間なので尖ったものが突き刺さると破裂してしまうのです(なので彼らは一般的に短命という設定)。
 これは泣けますよ。いいと思います。

 その他に面白く読めたのは作者自身による自作解説である『収録作品についてのノート』でしょうか。
 これを読むことで理解が深まった作品もありましたし、また執筆時のエピソードなどは興味深く読めました。
 ここだけの話、自分にはもう創作意欲はないのですが、以前執筆した中で解説したい作品があるんですよね。読んでも意味がわからなかった!といわれることや誤読をされることがやたら多かったので。。。
 そのお話がこれ
 最後は自作の宣伝になっちゃいましたね。すみません。汗。 
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする