特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

「ヒュー!ヒュー!」「さぁーっ!さぁーっ!」

2005-02-05 21:24:44 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温-4度。最高気温が2度だった割には寒く感じられた。

 朝食後スポーツクラブへ。

 いつものように準備運動がてら、延世(ヨンセ)大学のキャンパス内をのんびり散策しながら向かう。普段はどこも埋まっている大学内の駐車スペースが、今日は見事に空いている。旧正月前ということを実感。
 逆に考えると、普段駐車している何百台という車が街中を走り回っているわけで、連休期間中に道路が混むのは当然だろう。

 土曜日の午前中にもかかわらずスポーツクラブには思った以上の人がいた。
 今日はのんびり二時間ほど体を動かし、心地よい汗をかいた。

 たいていのスポーツクラブがそうであるように、クラブ内の大型テレビではいつもスポーツ専門チャンネルを放映している。今朝はNBA(バスケットボール)を中継していた。ウォーキングマシンの前に置かれた個人用テレビでもスポーツ中継を楽しんでいる人が多い。オンラインゲームが日本以上に人気の韓国らしく、オンラインゲーム専門チャンネルに見入っている学生も多い。
 私はもっぱら韓国のニュース専門チャンネル見るが、ニュースの合間にやたらと通販のCMが入るので、そんな時はNHKを見ることが多い。

 韓国ではNHKの衛星放送第一、第二ともアンテナとチューナーさえあれば視聴可能だ。また、日本以上にケーブルテレビが普及している韓国では、ケーブルテレビを通じてNHKを見ることが出来る。以前は衛星第一と第二の放送を別々に流していたが、最近は“NHKワールドプレミアム”というNHKの海外向け専用チャンネルに一本化された。NHKの人気番組を選りすぐって編成し放送している。ニュースはリアルタイムで見られるので、重大事件や事故などが起こった時には特に重宝している。最近一連の不祥事でNHKは視聴者の厳しい声にさらされたが、海外にいる日本人にとってNHKのテレビやラジオ放送は“いざという時の頼みの綱”と言っても過言ではない(だからと言って、一連の不祥事についてNHKを擁護しようという気は微塵も無い)。

 この海外向け専用チャンネル“NHKワールドプレミアム”の“欠点”はスポーツニュースなどでNHKが日本国内向けの放送権しか持っていない場面になると、映像が見られなくなることだ。たとえばメジャーリグのニュースで松井やイチローがホームランやヒットを打った場面になった途端、画面には「松井やイチローのユニフォーム姿の写真」が映し出され、音声だけが聞こえてくる。あれほどテレビを見ていてもどかしいものは無い。

 だから最近では、テニスのマリア・シャラポワや卓球の福原愛の試合画面になるとボールを打つ音と「ヒュー!、ヒュー!」(シャラポワ)とか、「さぁーっ!さぁーっ!」(福原)とかいう“声”しか聞こえてこないのだ。画面には当の選手の顔写真などが出ればまだ良いほうで、ヘタをすると“スタジアム”や“雪景色”そして“砂漠?”みたいな写真とともに、“放送権の都合により画面を見られない”旨のテロップが映し出されるのだ。

 世界各地にいる日本人や、外国の人たちが「ヒュー!、ヒュー!」とか、「さぁーっ!さぁーっ!」という“声”だけを聴きながらテレビの前に座っている光景を思い浮かべると、思わず笑ってしまうのは私一人ではあるまい。

 そんなことを書いている私も今夜七時のニュースで「東レパンパシフィックオープンテニス」の模様を伝える部分では“シャラポワ選手の写真”を眺めながら「ヒュー!、ヒュー!」という“声”を思う存分堪能した。

 じっくり体を動かしたおかげで、今夜はぐっすりと眠れそうだ。

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