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オーストラリアへ行く話その14 メルボルンの膵臓

2005年12月24日 | ばみら日記
さて、その中学の、ということは高校の先輩でもあり、大学、大学院の先輩でもあるヒト胚性幹細胞のエキスパートとフランス料理屋を探して死の彷徨音痴をくりひろげた黄昏れ時から一晩明けたメルボルンである。そんなに長い間同じ建物の中にいて、どうして初めましてなのかという疑問は確かにグッドクエスチョンではある。それにしてもなぜオーストラリア人は三ブロック向こうだから歩いていけるよなんて気楽に言えるのだろうか。あれはアメリカなら絶対車に乗る距離である。日本だったらバス停を探す距離である。健康的ではあるかも知れないが。しっかり京都の三条分は歩いたぞ。というわけで、明けてぞ今朝はメルボルンのメインイベント、うぉるたーえるざほーる研究所(http://www.wehi.edu.au/index.html)への共同研究者の訪問とセミナーである。こちらもメール知り合いである。まあでも、一回も会っていなくても、なんとなく雰囲気でこいつだと分かるものである。このあたりはかつてのオフ会で養った洞察力がものをいう。虎は死んで皮を残し、人は死んで名を残し、バイオフォーラムは死んでネチケットを残す、ってもうこれも死語か。うぉるたーえるざほーるいんすてぃちゅーとと言われても何の事やらといった感じだが、その頭文字をとったWEHI-3(うぃーはいすりーと読む)という培養細胞株は幹細胞をかじった人なら聞いた事があるかも知れない。そして、造血幹細胞の先駆者であり、コロニーアッセイで一世を風靡したメトカーフはそのWEHIでいまだに現役で活躍している。彼の講演を聞いたのはこれもまた25年くらい前に遡るが、今のように表面抗原をマーカーに4色のセルソーティングなんてことを思いつきもしない時代に、アガロースやメチルセルロース上での増殖因子依存的なコロニー形成能で幹細胞の性質を次々と明らかにしていく姿は、まさにヒーローそのものであった。ちなみに甲斐バンドのヒーローがヒットしたのもそのころであった。

というわけで、WEHIのメル友コラボレーターの専門は膵臓の発生である。膵臓といえばインスリン、インスリンといえば糖尿病というわけで、膵臓の機能解析は社会的にも重要な課題である。自然科学ブログの「綺麗な引きこもり生活」は生体膵移植を受けたakiさんのリハビリの記録であるが、安心して食べたいという思いが切々と伝わってくる日記である(http://blog.livedoor.jp/kireina/)。一日も早くインスリンフリーとなられることを心から願ってやまない。ばみら自身がこのまま膵臓の研究にどっぷり踏み込むかどうか、半分は研究資金次第ではあるのだが、発生学的にも、組織学的にも、エピジェネティカルにも(って日本語でなんていうのだろう)、非常に面白い課題である事には間違いない。

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