旋律はいつもドリン系

高校時代のマンドリンクラブの話です。
若干、ほんとのことをベースのフィクションです。

(01)テクマクマヤコン。話は最初に戻るのじゃ。

2008年08月31日 01時00分51秒 | 3章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争
目次
〈1章-はじまりは、こんなもん〉の最初から
〈2章-D線の切れる音〉の最初から
〈3 章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争〉の最初から
〈4章-スターウォーズと夏の日の恋〉の最初から

5月のゴールデンウイークが終わると、ワシら1年生も合奏に入りだした。

当然、弾けない。しかし、ワシは弾いた。

この日のためにゴールデンウイークは福田先輩に猛特訓を受けていた。
横に座る同じ1年男子の江本が、ワシのあまりの成長ぶりに驚いて目を丸くしている。

中学時代ブラスバンドでトランペットを吹いていた江本は、
ワシと藤本が入部した3日後に入ってきた。

藤本はともかく、3日のビハインドなど無いも同然、
ワシはあっさり抜かされた。
やはり、音楽経験者は有利なのだ。

藤本も合奏中ワシの音が聞こえたのか、時々こちらを見て。
むむ、やるな。という顔をしていた。
合奏が終わり、練習終了になると早速、藤本がやって来て、

「けっこう弾けてたじゃないか、チハル。
やっぱり、福田先輩はすごいなあ。」

ワシを誉めろ!

福田先輩もやって来たが、こちらは文句を言う。
「ミスが多い。タイミングが悪い。リズムがとれてない…」

そして、最後にこう言う。

「今日は、残って練習だ。」

毎日、残って練習してるじゃないか!

クラブの練習が終わっても、部員が帰り支度をして騒がしい。
ワシと福田先輩はいつも10分ほど休憩をして、それから居残り練習に入る。

「すごいな、青山君」

この短い休憩をしている時、江本に話し掛けられた。
ワシは思いがけない事だったので、一瞬驚いてしまった。

同じ1年のギターでありながら、江本とは顔を見たら挨拶をかわす程度で、
話しをしたことがなかったからだ。
出身中学がワシらの隣の中学だった江本は、藤本の悪名を知っていた。
藤本と仲のいい、ワシをも警戒していたのだ。
この1ヶ月で警戒も解けてきたのかもしれない。

「朝練してるんだって。」

「うん。朝の6時からじゃ。」

「6時!?」

驚きとあきらめの色が見えた。
たぶん、自分も一緒に早朝練習に参加しようと思ったのかもしれない。
でも朝の6時は『べらぼう』だ。

「福田先輩も一緒に来てるのか?」

「というより、福田先輩がやりたがっとるのじゃ。」

「なんか、言ったか?」

後ろに福田先輩がギターを持って、立っていた。

「練習始めるぞ。さっさと席に着け。」

「また、今度な。」
ワシは江本に謝るような仕種をしながら福田先輩の後をついて行く。

「うん、またな。頑張れよ青山くん。」
しょうがないよ、という仕種を付けて返す。

江本は、ワシの居残り練習が終わったら、話の続きをしたかったのかもしれない。
福田先輩の練習はしつこく、なかなか終わらない。

しばらく、ワシら師弟の練習を羨ましそうに見ていたが、
いつのまにか帰っていた。

見切り発車です。先が心配でなりません。ほんとうにタイトルどうりの話になるのか不安ですけど、なんとかがんばります。

お世話になっているTさんに、次の章の第1話は「テクマクマヤコン…」にすると言ったら。不機嫌な顔をされて「それは、おかしい!」と文句を言われた。(やっぱり、ふざけすぎかな)と思ったら。『テクマクマヤコン(アッコちゃん)』は変身するだけだから、違う。『マハリクマハリタ(サリーちゃん)』にすべきだ。と言う。(ああ、そっちか)そんなTさん、好きです。

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