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読書ノート 巽 好幸著 「なぜ地球だけに陸と海があるのかー地球進化の謎に迫る」 岩波科学ライブラリー

2018年10月02日 | 書評
地球表層と全体の水分布

太陽起源から地球進化の謎に迫る、陸と海の関係から読み解く 第15回 最終回

5) 終章ー水惑星地球 (その3)

プレートテクトニクスに示したように、プレートのある部分が破壊されプレートがマントルに沈み込むことが必要である。地球が水惑星であったからこそ、海水が入り込んでプレートが割れやすくなりかつ海洋地殻が流れてプレートテクトニクスが作動するのである。また3000Km近いマントル層は1層ではなく、上部マントルと下部マントルに別れた二層構造をなしている。660Km下にあるスピネル―ぺブスカイト境界が強力な物質的壁となって数マントルの上昇流が上部マントルには及ばないことである。落下してきた冷えた地殻成分は670Kmの不連続面で浮力を受けて滞留するのである。生命が誕生し棲息可能な「ハビタブルゾーン」太陽系内では雪線(木星と火星の間にある小石星帯)の内側、つまり地球型惑星に限られる。地球以外の惑星には水が存在しない。地球が水惑星であり続けたのは、太陽からの距離が適切であったこと、質量が大きく引力で大気を保持できたことが大きな要因である。地球表面に38億年前から液体の水がなぜ存在したかは分からない。地球の原料となった「炭素質コンドライト」には少なくとも1%以上の水分が含まれていたらしい。上図の地球表層と全体の水分布に示すように、地球全体には60エクサトンの水が存在したことになる。相当量は宇宙に蒸発したであろう。そのほとんどは地球表層では海洋に存在する。地球全体では上部マントルに4エクサトン、下部マントルに1エクサトン、海水に1.4エクサトンである。地球内部では水ではなく、含水鉱物の水酸基OHとして存在する。水が及ぼす最も多きな影響はマントル物質の融点を下げ流動しやすくなることである。OH基は二酸化ケイ酸SiO2のケイ素と酸素の結合を切るからである。頻繁に溶融現象とマグマの移動が起こるのである。

(完)
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