ブログ 「ごまめの歯軋り」

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読書ノート 矢野絢也著 「黒い手帳ー裁判全記録」 講談社

2010年02月16日 | 書評
創価学会と公明党による、元公明党委員長矢野絢也氏の日記奪取事件 第3回

 本書矢野絢也著 「黒い手帳ー裁判全記録」講談社(2009年7月刊)は同著者による「黒い手帳ー創価学会日本占領計画の全記録」講談社(2009年2月刊)と前編・後編の関係にある書である。そして本書は2009年3月の東京高裁の逆転判決を得て矢野氏と講談社側が勝訴(もちろん公明党OBは即控訴したが)した裁判の記録である。東京高裁の判決文は「控訴人ら(公明党OB3人)の要求を拒めば、『これらの多数の創価学会会員ないし公明党党員が被控訴人矢野およびその家族に対してどの様な危害を加えるかも知れない旨を暗示氏或いは明示的に述べて・・・このような発言内容に恐怖した被控訴人矢野が、やむなく控訴人らの要求に応じて本件手帖等を引き渡したことを認めることが出来る」というもので、地裁判決を根底から覆すものであった。本事件を複雑にしているの当時矢野氏と家族らは創価学会会員であり、宗教団体による心の呪縛の中にあったため、我々第三者が脅迫を受けるのとは随分心のスタンスが違っていることである。それを当事者間の「藪の中」で済まされない、創価学会側の露骨な言論弾圧の性格が見られるからである。なお矢野氏と家族は2008年5月創価学会を退会し、全面的な訴訟に入ったのである。本書に従って事件を簡単に振り返える。公平を期するには創価学会側の主張も聞かなければならないが、そこまで付き合っていられないので、あくまで矢野氏と講談社側から見た事件の見方で勘弁してください。カルト宗教団体の言い分を聞いているとこちらの頭がおかしくなるので精神衛生上省略したい。

 1995年にフランス下院が創価学会インターナショナル「SGIフランス」をカルト集団に指定し、報告書の中でカルト集団かどうか判断する基準として次の10項目を挙げている。この殆どの項目に創価学会は該当するのではないかと著者は言っている。
① 精神の不安定を与える
② 法外な金銭を要求する
③ 従来の生活環境からの隔絶
④ 肉体的損傷を与える
⑤ 子供の勧誘および教化
⑥ 反社会的な教え
⑦ 公共秩序の撹乱
⑧ 訴訟沙汰に持ち込み脅迫する 
⑨ 不法労働や詐欺、脱税など逸脱した経済活動
(つづく)


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