ブログ 「ごまめの歯軋り」

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読書ノート 山際素男著 「チベット問題」  光文社新書

2009年02月28日 | 書評
ダライ・ラマ14世と亡命者から聞くチベット問題 第7回

亡命チベット人の証言

 インドには約10万人のチベット難民がいる。その内2万人が僧侶であるといわれる。1980年以降「チベット自治区」での宗教迫害、暴力から逃れてインドに逃げてきた。著者山際素男氏は法王との面会の間に、チベット人居留地にゆき、数名の僧と面会して亡命チベット人の証言を得た。1988年にチベット大暴動で逮捕されて亡命した尼僧らである。中国政府は重税を課して最低の生活を強いて、生活向上の余裕を与えない政策であったらしい。武器も何もなくてデモに立ち上がったチベット人らに、戒厳令下中国軍は無差別銃撃によって多くのチベット人を虐殺した。僧の無差別逮捕が続き、多くの僧は拷問と病気で死亡した。尼僧に対しては性的拷問も行われたらしい。8000以上あったチベット寺院の9割以上は跡形もなく破壊され、今ラサ近郊の残された寺院は観光用として、外国人を欺くために残っているに過ぎない。宗教行為は徹底的に弾圧された。毎年2000-3000人がヒマラヤを超えて亡命しており、少年少女も毎年数百人が亡命している。こういった反革命暴力についてはフランスの「アルジェリア民族解放戦線」に対する弾圧拷問が有名である。そういったことが、社会主義国中国でも「暴徒」に対して情け容赦なくおこなわれているという。支配権力機構の無慈悲さ何時も同じだ。(続く)
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