ブログ 「ごまめの歯軋り」

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読書ノート 三村芳和著 「酸素のはなしー生物を育んだ気体」 中公新書

2008年11月25日 | 書評
27億年前、光合成によって酸素ガスが出来ると、生物は一気に進化した 第5回


1.酸素のないところでの生物 (1)
 現在の人間は大気中での酸素ガス濃度が低くなると高山病にかかり、運動どころか生命の維持さえ危い。海抜ゼロの大気中の酸素分圧150mmHgの吸気で動脈中の酸素分圧は100mmHg、末端細胞や静脈中では50mmHgになる。我々が走る時、最初の15秒くらいまでは無呼吸で体内のエネルギー源ATPを使って運動する。2分ぐらいまでは肝臓のグリコーゲンを分解してエネルギーを得る。それ以上の運動ではスピードを落として、グリコーゲンを使う呼吸による好気的代謝になる。1時間以上走る時には脂肪も使用するのである。このように人間(動物)は酸素なしでは数分も生存できない。なぜそのような呼吸方法(代謝)を選択したのだろうか。その進化の妙を旅して行こう。




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