ブログ 「ごまめの歯軋り」

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出 隆 訳 アリストテレス著「形而上学」

2021年08月03日 | 書評
栃木県真岡市  「井頭公園」

出 隆 訳 アリストテレス著「形而上学」 

岩波文庫(1961年2月)上・下(その11)


第1部 アリストテレス「形而上学」の概要

第11巻(Κ) - 諸論要約(全12章)
第1章 - 第3巻の第2章-第3章の概要
第2章 - 第3巻の第4章-第6章の概要
第3章 - 第4巻の第1章-第2章の概要
第4章 - 第4巻の第3章の概要
第5章 - 第4巻の第4章の概要
第6章 - 第4巻の第5章-第8章の概要
第7章 - 第6巻の第1章の概要
第8章 - 第6巻の第2章-第4章の概要、『自然学』第2巻の第5章-第6章からの抄録 --- 偶運について
第9章 - 『自然学』第3巻の第1章-第3章からの抄録 --- 可能態、現実態、運動について
第10章 - 『自然学』第3巻の第4章-第5章・第7章からの抄録 --- 無限について (現実的に無限なものは存在しないということについて)
第11章 - 『自然学』第5巻の第1章からの抄録 --- 転化について、運動について、生成消滅は運動ではないことについて
第12章 - 『自然学』第5巻の第2章-第3章からの抄録 --- 「性質」における運動(変化)と「量」における運動(増減)と「場所」における運動(移動)について、実体についての運動はないことについて、場所的・物理的関係を表す諸概念の定義

第12巻(Λ) - 不動の動者(全10章)
第1章 - 我々の研究対象は実体である、実体は他の全てに優先する、実体の三種 --- 「消滅的・感覚的実体」「永遠的・感覚的実体」「永遠的・不動・非感覚的な実体」
第2章 - 転化にはその原理として「形相」とその「欠除態」の他に「質料」が必要である
第3章 - 最後の「質料」や「形相」には生成過程は存しない、各々の実体は同じ名前のものから生成する、生成の四種 --- 「技術」「自然」「偶運」「自己偶発」、実体の三義 --- 「質料」「形相」「結合物」、事物の「始動因」はその事物より先に存在しうるがその「形相」は同時的に存在する、人間のような自然的な事物以外はいかなる事物の「形相」もその事物より先には存在しない
第4章 - 事物の構成要素はその事物が異なるに応じて「数」的(個別的)には異なるが、その「種」においては同じである、それらは全て三種の構成要素「形相」「欠除態」「質料」を持ち、最近及び最遠の外的な始動因(動者)を持つ
第5章 - 事物の「可能態」と「現実態」も全ての事物に共通の原理であるが、その仕方は場合が異なるに応じて異なる
第6章 - 「永遠的・不動・非感覚的な実体」について、こうした不動な実体は存在すべき、永遠的な運動のための「永遠的な動者」が存在すべきであり、この動車はその本質に「可能態」を含まない全くの「現実態」であらねばならない
第7章 - 永遠的な運動を起こす「第一の永遠的な動者」は、全くの「現実態」であるから、自らは全くの「不変不動な実体」であり、あたかも思惟・欲求の対象が思惟者・欲求者を動かすように、自らは動かないで他の全てを動かす、この「第一の不動の動者」に世界の全ては依存する、これは「善」であり、「生命」であり、不断に自らを思惟・観照している「純粋理性」であり、「神」である、その観照の生活は全く「完全」であり「快」である
第8章 - 諸天体の運行を司る多くの天球の諸運動のためには、「第一の天球」を動かす「第一の不動の動者」(神)の他に、それだけ多くの「不動の動者」が存在すべきである、エウドクソス・カリッポスの諸天球の設定、アリストテレス自らの設定、その数は「55」または「47」であろう、「第一の不動の動者」はただ一つであり、世界も一つである
第9章 - 「神の理性」についての問題、その思惟対象はそれ自らであらねばならない、「神の思惟」は「思惟の思惟」である、非質料的・非物質的なものにおいては思惟と思惟対象は同じものである       
第10章 - 「善」は世界の諸事物に対して何であるか、それは「全てに内在する秩序の原理」であると共に、「それらを超越する統一的支配の原理」である、自然哲学者たちの諸見解と難点

(つづく)