医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年3月23日)「医療を成長産業に なんて夢のまた夢」 多田智裕 ただともひろ胃腸科肛門科(武蔵浦和)より
2月11日中医協の診療報酬審議が終わった翌日、長妻厚労大臣は「日本医療は世界に冠たるものがある。省内に医療・介護・保育の成長戦略プロジェクトチームを作る」という発言をしています。本当に日本医療は世界最高水準にあるのだろうか。現実はお寒い限りだ。日本の医療技術で世界最高レベルにあるのは「内視鏡検査」だけでしょう(オリンパスの内視鏡の世界シェアーが75%)。ところが内視鏡による大腸ポリープ切除手術は今回の診療報酬改定で53600円から5万円に引き下げられた。これまで日本の医療政策とは診療費の増大を診療報酬と薬価の切り下げで対応する歴史であった。それが今の医療崩壊の最大要因となっている。「世界から見て最高水準の医療技術を培った」というのではなく、「医療を安く平等に提供する」点では確かに世界最高レベルにあるというべきであろう。医療崩壊と日本的医療の提供は表裏一体の関係にある。今求められているのは診療報酬の増額であり、全体的な底上げである。
2月11日中医協の診療報酬審議が終わった翌日、長妻厚労大臣は「日本医療は世界に冠たるものがある。省内に医療・介護・保育の成長戦略プロジェクトチームを作る」という発言をしています。本当に日本医療は世界最高水準にあるのだろうか。現実はお寒い限りだ。日本の医療技術で世界最高レベルにあるのは「内視鏡検査」だけでしょう(オリンパスの内視鏡の世界シェアーが75%)。ところが内視鏡による大腸ポリープ切除手術は今回の診療報酬改定で53600円から5万円に引き下げられた。これまで日本の医療政策とは診療費の増大を診療報酬と薬価の切り下げで対応する歴史であった。それが今の医療崩壊の最大要因となっている。「世界から見て最高水準の医療技術を培った」というのではなく、「医療を安く平等に提供する」点では確かに世界最高レベルにあるというべきであろう。医療崩壊と日本的医療の提供は表裏一体の関係にある。今求められているのは診療報酬の増額であり、全体的な底上げである。