異端の皇女と女房歌人 田渕句美子著 角川学芸出版
鎌倉時代は武士の時代なのかと思っていましたが、
天皇家も公家もまだ健在だったという事実を初めて知りました。
これは歴史の教科書で武家の政権ばかりを扱うせいです。
鎌倉時代には、三つの和歌隆盛時代がありました。
後鳥羽院、後嵯峨院、伏見院の時代です。後鳥羽院の時代を飾るのが、
式子内親王、宮内卿、俊成卿女の女性歌人です。
式子内親王
山深み春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水
宮内卿
花さそう比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟の跡見ゆるまで
俊成卿女
ながむれば我が身ひとつのあらぬ世に昔に似たる春の夜の月
さらに伏見院の時代には、永福門院が現れます。
真萩ちる庭の秋風身にしみて夕日の影ぞ壁に消え行く
こうしたイメージ世界は日本の琳派の源流のようにも思われます。
鎌倉時代は武士の時代なのかと思っていましたが、
天皇家も公家もまだ健在だったという事実を初めて知りました。
これは歴史の教科書で武家の政権ばかりを扱うせいです。
鎌倉時代には、三つの和歌隆盛時代がありました。
後鳥羽院、後嵯峨院、伏見院の時代です。後鳥羽院の時代を飾るのが、
式子内親王、宮内卿、俊成卿女の女性歌人です。
式子内親王
山深み春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水
宮内卿
花さそう比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟の跡見ゆるまで
俊成卿女
ながむれば我が身ひとつのあらぬ世に昔に似たる春の夜の月
さらに伏見院の時代には、永福門院が現れます。
真萩ちる庭の秋風身にしみて夕日の影ぞ壁に消え行く
こうしたイメージ世界は日本の琳派の源流のようにも思われます。
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