キタカゼとタイヨウ

「意識不明の重体」「重症びまん性脳損傷」から奇跡的に回復、社会人になった息子のこと。母の読書記録などなど。

「震災後の不思議な話」宇田川敬介

2016-11-18 08:26:46 | 日記
震災後の不思議な話 三陸の怪談
宇田川敬介
飛鳥新社


あの日、突然奪われたたくさんの命。
たくさんの想いを残しながら、何が起きたかも気づかぬまま
今もさまよっている方もいらっしゃるのだろうか?

  ご先祖様は祟ったりしない

祖母がよく言ってました。
 
  何か心配事があって出てくることあるけど、今生きている人たちの足を引っ張ったりはしない。

と。

  お化けでもいいから会いたい

祖母が亡くなって23年、今でも思います。


本の話

がれきの手伝いをする幽霊という章に

 被災地以外の人は「がれき」という言い方で、ごみの延長のように受け取るかもしれませんが、
 私たちにとっては、津波の被害で壊されたり、あるいは持ち主がわからなくなったものででも
 「大事なもの」だということです。

というところ。
娘たちがボランティアに行ったとき、ふるいを使って、小さな小さなものまで探す作業のお手伝いをしたときのこと。
バス1台で行って、見つかったのは

  ヘアピン 1本

だったそうですが、そのヘアピン1本をすごく大事に受け取ってもらったときに、
名前も書いてないし、誰のものだか絶対わかりそうもないのに

  どうもありがとう

との言葉に、

  どんなもので、どんな小さなものでも大事なものなんだよ。
  土地のかさ上げだって、もしかしたらまだ何か残ってるかもと思ったら
  できないなぁって思った

と話してタコとを思い出しました。

5年と7ヶ月がすぎてワタシが被災地へいったのはわずか2回ですが、
それは娘たちがボランティアに行ったときからずっとそうですが、
工事現場の真ん中の様なところでした。

津波被害がなかったここでさえ、いまだ塀や屋根の修理が終わっていないお宅もありますし、
我が家も壁のひびはそのままです。

そして、復興が終わらぬうちに日本中至るところで自然災害がおき、
あらゆるところが被災地となっている・・・そんな気がします。

思いがけず命を落とされたもの方々は
大切な人を失って途方にくれ、歩みを止めてしまった家族に対し、

「亡くなった方の成仏は、今生きている、亡くなった方の大事な人が幸せになること、
 心配かけないようになることが大事で、そうやって心配事がなくなれば、
 仏様の元へ行くことができるのです」

と心配しているのだそうです。