震災後の不思議な話 三陸の怪談 | |
宇田川敬介 | |
飛鳥新社 |
あの日、突然奪われたたくさんの命。
たくさんの想いを残しながら、何が起きたかも気づかぬまま
今もさまよっている方もいらっしゃるのだろうか?
ご先祖様は祟ったりしない
祖母がよく言ってました。
何か心配事があって出てくることあるけど、今生きている人たちの足を引っ張ったりはしない。
と。
お化けでもいいから会いたい
祖母が亡くなって23年、今でも思います。
本の話
がれきの手伝いをする幽霊という章に
被災地以外の人は「がれき」という言い方で、ごみの延長のように受け取るかもしれませんが、
私たちにとっては、津波の被害で壊されたり、あるいは持ち主がわからなくなったものででも
「大事なもの」だということです。
というところ。
娘たちがボランティアに行ったとき、ふるいを使って、小さな小さなものまで探す作業のお手伝いをしたときのこと。
バス1台で行って、見つかったのは
ヘアピン 1本
だったそうですが、そのヘアピン1本をすごく大事に受け取ってもらったときに、
名前も書いてないし、誰のものだか絶対わかりそうもないのに
どうもありがとう
との言葉に、
どんなもので、どんな小さなものでも大事なものなんだよ。
土地のかさ上げだって、もしかしたらまだ何か残ってるかもと思ったら
できないなぁって思った
と話してタコとを思い出しました。
5年と7ヶ月がすぎてワタシが被災地へいったのはわずか2回ですが、
それは娘たちがボランティアに行ったときからずっとそうですが、
工事現場の真ん中の様なところでした。
津波被害がなかったここでさえ、いまだ塀や屋根の修理が終わっていないお宅もありますし、
我が家も壁のひびはそのままです。
そして、復興が終わらぬうちに日本中至るところで自然災害がおき、
あらゆるところが被災地となっている・・・そんな気がします。
思いがけず命を落とされたもの方々は
大切な人を失って途方にくれ、歩みを止めてしまった家族に対し、
「亡くなった方の成仏は、今生きている、亡くなった方の大事な人が幸せになること、
心配かけないようになることが大事で、そうやって心配事がなくなれば、
仏様の元へ行くことができるのです」
と心配しているのだそうです。