「親方、妹が1200兆円の借金で苦しそうです。少しは休ませてくれませんか」
「生意気言うんじゃねえよ。嘉手納や厚木、岩国などでてめえらを守ってやっているのは俺だろ。つべこべ言わずに働け！1200兆円の借金はてめえらのアベノミクスの大失敗からだろうが」
「確かに、たっぷりの政党助成金や意味のない高速道路、時代遅れのリニア、ダム、いかがわしいオリンピック等々、ムダな金を使い過ぎました。でもでも親方の武器もいっぱい買いましたし、嘉手納や厚木、岩国の駐留費はわたしたちが借金までして払っています」
「それがどうした、武器が欲しいと言ったのはてめえらだろうが」
「そんな殺生な、武器を買わなければ、日本の車は買わない、造らせないと脅したのは親方じゃありませんか。あまりにもひどすぎます」
「持ちつ持たれつだろ。車を売った連中は喜んでいるだろうよ」
「でも、円安でわたしたちの生活はもう地獄です」
「車の連中は円安で儲かっている、そっちから金をもらえ」
「親方はわかっているくせに、そんなご無体なことを。車の人たちは法人税を下げろ、自動車減税を続けろとばかり言っております」
「一兆円も儲けているのにか」
「さようで。EVで大失敗して世界の潮流に乗り遅れたのに」
「知るか、経営者がアホなんだろう。所詮、ボンボン育ちだからしょうがない」
「苦しいのはわたしたち。石油元売りも安い時に買っていたガソリンを売っているのに、たっぷりの補助金もらって儲かっています。社長は沖縄のキャバクラで遊んでセクハラしてます」
「金があるやつはそういうものなのだ」
「今度は電力会社とガス会社に補助金です。こっちも赤字と言っておきながらボロ儲けです。電力会社は社員の住宅ローン金利も限りなくゼロにするほど補助金を出しているのに」
「経団連企業は優遇ってことだ。てめえらはただ黙って働いていればいいんだ」
「親方、せめてウクライナの踊子のように、武器はタダでくださいな。もうわたしたちにはお金がありません」
「勘違いするな。ウクライナの踊子は武器をくれと言っているからタタでやっている。てめえらは買いたいというから売っているだけだろ。29兆円の補正も組んだことだし、さあ、そのトマホーク代のためにも働け」
「親方、いつまでわたしたちを働かせるのですか」
「隣の家に嫌なやつがいるだろ。俺の立場を狙っているやつがな。まずは、働いて働いて俺から武器を買い、やつをやっつけろ」
「親方のほうが身体が大きいし強いし、核だってあるし、なぜわたしたちだけが中国と戦うの？」
「中国の名前を出すな。とりあえずは北朝鮮にしとけ」
「親方が言ったことですよ」
「またわからんのか。こっちにはこっちの都合ってものがあらあな。無駄口叩くんじゃねえよ。今夜は飯抜きだな」
「ごめんなさい。ご飯だけは食べさせてください」
「いいか。てめえらは俺が世話している踊子。越後獅子の親方はな普通、遠くの安全な場所から踊子の仕事ぶりを眺めているもんだ」
「そんなこと言われても、妹は国債という依存症に罹って、もう一歩も動けません。どうしようもないんです。わたしたち」
「知るか！文句はてめえらの親に言え」
「宗教にかぶれたり、名前のない領収書が見つかったり、選挙タスキを息子がかけたり、原発をまた造ろうとしたり、自分や経団連のことしか考えない自民党なんて、親じゃありません」
「知るか！こっちはこっちで2年後の大統領選で大変なんだ。さあ、働け。倒れるまで働け」
「もう死んでます」
「じゃ、どっかの宗教団体のように、二千万円で墓、作ってやるよ」
