さて、初めて名前を知った第693回は、
タイトル:坂本龍馬の写真―写真師彦馬推理帖
著者:伴野 朗
出版社:新潮社 新潮文庫
であります。
お初の作家さんです。
日本初の写真家・上野彦馬を探偵役にした時代ミステリ。
短編集なので、一つずつ感想を書いていきます――
と、普通なら言うところですが……。
すいません、これ進む毎にテンション下がる作品なんで、今回はまとめて紹介します。
冒頭にも書いた通り、主人公は日本初の写真家・上野彦馬。
坂本龍馬の有名な写真(木の台によっかかってる奴)を撮った方です……初めて知った。(爆)
全七編の連作短編で、二十七歳で龍馬と出会い、六十六歳で没するまでの彼の人生を追います。
どの短編も彦馬が撮った写真がタイトル、及び、事件解決のキーとなっているのが特徴。
最初の坂本龍馬だけでなく、桐野利秋(人斬り半次郎)、丁汝昌(日清戦争時の清の提督)、ニコライ皇太子(後のニコライ二世)等、歴史の有名人が多数登場します。
また、写真技術の解説が非常に詳しく、短編も時代順に並んでいるため、読んでいるだけで写真史の勉強になります――興味がない方は退屈に感じるかも知れませんが。
ミステリとしては……良く言えば素直、悪く言えば安直。
事件終了と同時に話を切って、『彦馬の撮影控』で謎解き、または、まとめを行うパターンもちと強引に感じました。
ただ、犯人が既に解っている状態で、彦馬が写真による罠を仕掛ける『幽霊の写真』は面白かった。
後付けで犯人を作る必要も、他に候補がいない状態で犯人当てをする必要もなかったのが幸いしたといった所でしょうか。
時代小説として読めば……そこそこ。
ただ、一編終わる毎に五~十年の時が過ぎ、それに伴って彦馬の俗物ぶりが目立ってくるのはどうかと……特に女性関係のだらしなさは呆れるばかり。
基本的に彦馬中心の話のため、出てくる人物達にほとんど魅力が感じられないのも引っかかりました。歴史上の人物も存在感薄いし。
(好奇心の塊の龍馬が、暗室まで入ってきたのは笑えたけど)
駄目! とは言いませんが、イマイチ。
写真史に興味がある方はさらっと読んでみてもいいかも知れません。
当時の写真家の苦労がよーく解ります。
タイトル:坂本龍馬の写真―写真師彦馬推理帖
著者:伴野 朗
出版社:新潮社 新潮文庫
であります。
お初の作家さんです。
日本初の写真家・上野彦馬を探偵役にした時代ミステリ。
短編集なので、一つずつ感想を書いていきます――
と、普通なら言うところですが……。
すいません、これ進む毎にテンション下がる作品なんで、今回はまとめて紹介します。
冒頭にも書いた通り、主人公は日本初の写真家・上野彦馬。
坂本龍馬の有名な写真(木の台によっかかってる奴)を撮った方です……初めて知った。(爆)
全七編の連作短編で、二十七歳で龍馬と出会い、六十六歳で没するまでの彼の人生を追います。
どの短編も彦馬が撮った写真がタイトル、及び、事件解決のキーとなっているのが特徴。
最初の坂本龍馬だけでなく、桐野利秋(人斬り半次郎)、丁汝昌(日清戦争時の清の提督)、ニコライ皇太子(後のニコライ二世)等、歴史の有名人が多数登場します。
また、写真技術の解説が非常に詳しく、短編も時代順に並んでいるため、読んでいるだけで写真史の勉強になります――興味がない方は退屈に感じるかも知れませんが。
ミステリとしては……良く言えば素直、悪く言えば安直。
事件終了と同時に話を切って、『彦馬の撮影控』で謎解き、または、まとめを行うパターンもちと強引に感じました。
ただ、犯人が既に解っている状態で、彦馬が写真による罠を仕掛ける『幽霊の写真』は面白かった。
後付けで犯人を作る必要も、他に候補がいない状態で犯人当てをする必要もなかったのが幸いしたといった所でしょうか。
時代小説として読めば……そこそこ。
ただ、一編終わる毎に五~十年の時が過ぎ、それに伴って彦馬の俗物ぶりが目立ってくるのはどうかと……特に女性関係のだらしなさは呆れるばかり。
基本的に彦馬中心の話のため、出てくる人物達にほとんど魅力が感じられないのも引っかかりました。歴史上の人物も存在感薄いし。
(好奇心の塊の龍馬が、暗室まで入ってきたのは笑えたけど)
駄目! とは言いませんが、イマイチ。
写真史に興味がある方はさらっと読んでみてもいいかも知れません。
当時の写真家の苦労がよーく解ります。