つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

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なんだこの違和感は……?

2006-08-16 23:46:38 | ミステリ
さて、思い出したように手に取ってみる第624回は、

タイトル:死者の学園祭
著者:赤川次郎
文庫名:角川文庫

であります。

赤川次郎の長編第一作です。
初出は昭和五十二年で、五年ぐらい前に映画化されました。出来がいいとは言い難かったようですが……。
ミステリ好きの主人公・結城真知子が、学園で起こる連続殺人事件の謎に挑みます。

その日、山崎由子は四階のベランダに立っていた。
真知子の制止を無視して、散歩するように手すりの上を歩く。
ようやく降りることを了承した直後、由子は地面目掛けて落下した。

由子が亡くなった大阪の地を離れ、真知子は東京の高校に転校した。
だが、そこでも不可解な轢き逃げ事件が起きる。
そして、事件に首を突っ込む真知子をあざ笑うかのように、次々と新たな事件が――。

第一印象は、「赤川次郎って、読んでてこんなに引っかかる作家だっけ?」でした。
いや、三十年近く前の作品ってことを知らなかった私が悪いんですが。(爆)
にしても、台詞の「」を一段下げて書くのはどうかと……そういう作家、他にも結構いる?

物語は三部構成で、転校した真知子の周囲で立て続けに死亡事件が起こる第一部、夏休みを利用して事件に一応の区切りをつける第二部、すべての謎を解く第三部、となっています。
タイトルとは裏腹に、学園祭のシーンは第三部の中だけで、本作全体の分量からすると八分の一程度というのが結構泣ける……。

少女物語としては……まぁ、赤川次郎らしいかな、といったとこ。
某青年との甘酸っぱい恋愛(寒っ)や、様々なことを都合良く解釈して割と前向きに生きる部分等、以後の作品に通じる所が多々あります。
ちょっと時代を感じる『さぶいぼな会話』に耐えられるならば、悪くはないのではないかと。(歯切れ悪いなぁ)

一方、ミステリとしては……無茶苦茶です。
序盤でガイシャを殺しまくり、中盤で無理矢理犯人を作り、終盤でキーパーソンに真相を語らせてまとめる超強引仕様。
すべての謎が明かされる学園祭の御芝居はツッコミ所満載で、いくらなんでもヤバ過ぎて教師が止めるだろ、とか、そもそも何でお前にそこまで解るんだよ、とか、かなりズレた意味で楽しめます。(爆)

初長編ということもあって、色々な意味で荒い部分が多く、正直オススメできません。
ファンの方限定で、ネタの一つとして読むのは悪くない……かも。
コメント (2)
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