とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

あちこち「SYOWA」 15  もし・・・。

2016-04-13 10:27:44 | 日記


              歌川国芳画「常盤御前」

 常盤御前は近衛天皇の中宮・九条院(藤原呈子)の雑仕女で、雑仕女の採用にあたり都の美女千人を集め、その百名の中から十名を選んだ。その十名の中で一番の美女であったという。後に源義朝の側室になり、今若(後の阿野全成)、乙若(後の義円)、そして牛若(後の源義経)を産む。平治の乱で義朝が謀反人となって逃亡中に殺害され、23歳で未亡人となる。その後、子供たちを連れて雪中を逃亡し大和国にたどり着く。その後、都に残った母が捕らえられたことを知り、主であった九条院の御前に赴いてから(『平治物語』)、清盛の元に出頭する。出頭した常盤は母の助命を乞い、子供たちが殺されるのは仕方がないことけれども子供達が殺されるのを見るのは忍びないから先に自分を殺して欲しいを懇願する。その様子と常盤の美しさに心を動かされた清盛は頼朝の助命が決定していたことを理由にして今若、乙若、牛若を助命したとされている。(「Wiki」より)



              水野年方画「常盤御前」

 国芳の絵は全く子どもたちが描かれていない。わずかに二人の子どもの足が・・・。年方の絵はきちんと上の兄弟は描かれている。共通するのは幼い牛若が描かれていない。いや、母に抱かれているから描けないのです。
 Aは絵に興味をもっていて、夥しい数の雑多な絵を見てきました。日本画の題材の中でよく出てくるのがこの常盤の雪中逃亡の場面です。ところが微妙に絵のニュアンスが違うのです。これが面白いと思っていました。昭和とは関係ないのですが、Aは異常すぎるほど見つめてしまうのです。
 それは、もし・・・、という問いかけをしてしまうからです。常盤が敵の清盛に助けられなかったら・・・、歴史はどう動いていったか。という素朴な問いかけです。これはA自身の家系とも深く繋がっているのです。

東日本大震災被災地の若者支援←クリック募金にご協力ください。募金額ついに100万円を突破しました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。