とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

あちこち「SYOWA」 24 女の哀しさ

2016-06-22 01:24:39 | 日記



2007年。だから「SYOWA」ではありませんが、この年に大変な発見がありました。


 美人画で知られる江戸後期の浮世絵師・喜多川歌麿が描きながら、所在が分かっていなかった作品とみられる肉筆画が、栃木県栃木市で見つかった。歌麿の肉筆画は30点ほどしか確認されておらず、画風がどう形成されたかを知る上でも、貴重な発見といえそうだ。
見つかったのは、赤いだるまの装束を身につけた女性を描いた「女達磨(だるま)図」。縦36.5センチ、横56.5センチ。栃木市内の女性が所有していた。現在は栃木市立とちぎ蔵の街美術館が預かっている。
 「女達磨図」は、昭和初期の資料に存在が記されていたが、詳しい所在は分からず、写真なども残っていなかった。


 新聞などでこのように報じられていました。Aは、この事実に驚くとともに、ある感慨・・・、いやはっきり言うと哀しみを感じました。
達磨というと、この絵の画賛にも記してあるように、中国の少林寺で壁に向かって9年間座禅し、悟りを開いたという故事があります。女達磨図から感じたAの哀感は、勤め10年の遊女の苦行を対比させ、遊女勤めの過酷さを描いた歌麿のテーマらしきものから直感的に感じた気持ちでした。いや、Aの母と祖母は遊女ではありません。しかし、じっと見つめていると、自ずと滲み出てくる哀感。・・・ああ、私の母も祖母も苦行の日々を・・・。そう感じたのでした、南無阿弥陀仏。南無釋迦牟尼仏。

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