とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

神となったか・・・

2013-05-15 11:16:42 | 日記
神となったか・・・




村上華岳「雲上散華之図」

 公演は無事終わりました。私は安堵するとともに湧き上がる不可思議な思いに捉われはじめました。そこで、古賀所長にそのことを打ち明けました。


 皆さんどう見ておられたか、私も気になっていました。それで、新聞や雑誌を注意して見ていました。まあ、概ね好評だったようですね。古賀所長は最初そう仰いました。

 
 悲恋ということですが、初めは里を邪険に扱っていた若侍の渡部新之助は、次第にひかれていくわけですね、最後には、里が現れるのを待ち焦がれている感じで・・・、そこへ里人たちが「山崩し」を唄いながら集団で新之助に圧力をかけようとする、その時、里が天上から舞い降りてくる。・・・みなさん、ここで諍いをしていては何事も解決しない、今は新川の完成に向けてまっしぐらに進むべきだ、と呼びかける、すると、神の、いや、菩薩の言葉のように里人はそれを聞いている、このことを契機に新之助は里に強い恋心を持つようになる、里も好意を持つようになる、かくして二人は一層近づいていく、・・・川の竣工を迎えて、里人たちがお祭りをする、もちろん「山崩し」の盆踊りを踊りながら、その踊りの輪の真ん中に里と新之助がいて、一緒に踊るわけですね、でも、踊りが終わると、光の環に包まれ里は天上に昇ってしまう。・・・そして、初めの現代の盆踊りの屋台にすっと現れて群衆とともに踊り出す・・・。

 畝本さん、よく覚えていらっしゃいましたね。ある雑誌には場面が目まぐるしく変わって混乱するとか書いてありました。

 しかし、過去と現代を行き来するという設定の演劇は初めて見ました。

 いや、他にもあると思います。しかし、何とか納まっていましたね。

 古賀さん、私はずっとその間に翼の音を聞いていました。天女の、いや、飛天の、いや、天使の、・・・火の鳥かも知れません。郁子さんは超常的な力を持っているのでは・・・。
 
 畝本さん、ある劇団の照明係りが特訓を受けてああいうレベルに到達したのは奇跡です。そういう意味ではそんな風に考えられないこともないと思います。しかし、畝本さんはいつも飛躍しますね。

 そうですかねえ。私は本当に翼の音を感じました。

 畝本さん、仙女二代目の力をつけました。そういう意味で私も嬉しいです。

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