とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

日沈の宮のある日御碕

2013-04-23 22:28:26 | 日記
日沈の宮のある日御碕




    日御碕     

 何を求めて車を連ねるのか
 ロングヘアーが潮風にゆらぐ
 御碕の岩に站って
 「神話」を呼吸した 男と女
 永劫の愛を
 夢見たというだろう
 七曲がりのスリルと
 海の紺青に虚ろにふくらむ
 愛の形は ウミネコの翼に
 しぶく波の色 灯台の媚びに
 おもねるサングラス
 フィーリングでは
 だめなんです
 出雲の祖神の霊屋を訪うには
 半島一帯に根の国を嗅ぎ
 常世から風の使者を迎え
 渺茫の海へ小舟を放つ
 旅人がいたとしたら……
 国引きの神話を考えるがいい
 海をせめぐ山塊に
 オミズヌノ神の雄叫びが
 聞こえないか
 ディスカバー・ジャパンの
 若者よ 御碕の岩の
 偽笑を買って帰るな

     (昭和49年2月16日 中国新聞掲載)

 岬上には1903年(明治36年)初点灯の出雲日御碕燈台が立っている。海抜63m、光達21海里で、灯塔は43.65m。石作りの灯台としては日本一の高さを誇り、白亜の姿が美しい。見学も可能である。



 日御碕神社の下の本社(日沈の宮・日沉の宮、ひしずみのみや)は天暦2年(948年)、村上天皇勅命により祀り、上の本社(神の宮)は安寧天皇13年(紀元前536年)、勅命により祀られ、総称して日御碕大神宮とされた。「日沈の宮」の名前の由来は、創建の由緒が、伊勢神宮が「日の本の昼を守る」のに対し、日御碕神社は「日の本の夜を守れ」 との「勅命」を受けた神社である事による。祭神は下の本社の日沈の宮は天照大御神、上の本社/神の宮は素盞嗚尊である。東の伊勢神宮、西の日御碕神社(出雲大社)という構図には壮大な政治的な意図が隠されている気がする。



「日沈の宮」はもともとウミネコの去来地である経島のてっぺんにあった。この写真でも小さな祠を確認すことができる。(以上「Wiki」から引用)

 私の根の国彷徨は、島根半島の海にまで到達しました。海を眺めていると古代人の原始信仰の形を見る気がしました。ご縁市場のこと、演劇のその後のこと、治子の個展のことも気になっていましたが、私はしばらくここの地を離れることが出来ませんでした。海はいい。すべてを許してくれる。包んでくれる。
 
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