せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

阿蘇神社、修復の現場を見る

2018年12月10日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


先週末の熊本は冷え込みました。
阿蘇中岳の山頂は、うっすらと雪景色。

建築士会のヘリテージマネージャーの研修で
阿蘇神社の修復状況を見学しました。

12月1日に無事に改修工事が終わった
斎館の実測も行いました。

全体の説明と
ご案下さった禰宜の方はさすが、薄着です。



阿蘇神社の災害復旧工事は、
重要文化財に指定されていた6棟の建物は
国、県、市の補助事業で、概算9億3千万円の総工事費

未指定だった、拝殿や斎館は、指定寄付金事業として
総工事費が8億6千百万円の総事業費との
チラシをいただきました。

全体が完了するのは、平成34年までの見込みとのこと。
伝統建築の修復、復興の息の長さを感じます。

地震で拝殿が、ぐしゃっと潰れた痛々しい様子は、
建築士の別のお仲間と、以前見に来ていました。

報道でも幾度も流れた様子は
皆さんの目にも焼きついていることと思います。

その場所が、どんな復興を遂げている最中だろうかと
今回、見学できることに感謝して、参りました。

楼門も、今は撤去され、基礎の部分の石を残すのみ。



石の番付の墨も残されていたとのこと。
う〜む、私には読めない!?

今回の地震で、解体するうち、新たな発見もあったそう。
部材の各所に、関わった大工さん方のお名前が書かれていたそうです。

「藩全域から腕利きの職人さんが集められた
大掛かりな工事だったのではないか。」とのことでした。

きっと、職人さも、誇りをもって仕事されたのでしょう。

『施工者の名前を残す。』

今の建築にも、しっかりと刻みたいものです。

「石のたたいた後は、平らにするのに相当時間がかかった証拠。
この時代は、この方法しかなかったはず。」

と、受講生仲間から教えてもらいました。
石工のことまでは、私も詳しくなく、ふむふむと拝見。

次の説明は、新築予定の拝殿。
確認許可がなかなか降りないとのこと。

設計側も、審査側も普段とは違う建築で
手順がうまく進まないようと、
禰宜さんも苦笑いされておられました。

普段は入れない、拝殿があった跡地に立ち、
一の神殿から三の神殿までを、仮囲いの外から見学。
彫り物に特徴があるとの説明。



阿蘇の澄んだ空気を心地よく吸いながら、
恐れ多くも、神様に近づいたような神々しい気分になりました。

最後は、修復を終えた斎館の見学。





研修の目的でもある実測調査と図面起こしは、
夕方になると、手も寒さでかじかみました。

銅葺きに吹き替えられた屋根が、
これまた煌めいておりました。



阿蘇神社関係の修復に関しては、熊本大学の伊東研究室が
地震前に調査していた図面が、かなり役に立ったそうです。

記録しておくことの大切さも痛感いたします。

設計して、工事して、調査して、壊れてまた調査して、
設計し直して、工事し直して、、、、

文化財の一つ一つのパーツの調査も、
時間が相当にかかります。
専門家の方が入っているとはいえ、気が遠くなるような作業。

これからも、私たち建築士が、粘り強く
日本の建築を後世に伝えることをやっていきたいですね。

最後は、これからの修復工事の安全を祈願して
阿蘇神社を後にしました。

お忙しい中、説明や解説、そして資料を用意くださった
関係者の皆様には、感謝いたします。
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