せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

古代の地盤改良方法を拝見して、 考古学と建築まちのつながりを考える

2018年06月25日 | 日本民家再生協会

↑都築民家園(大塚・歳勝土遺跡公園)

日本民家再生協会のお仲間から、
とってもマイナーな見学会のお知らせを頂き、
週末、関心のあるメンバーと訪問しました。

建築と地面の関係、悠久の時を超えて、
その繋がりを実感した内容を綴ります。

1) 古代の地盤改良方法とは?

なんと、1300年前の地盤改良が観れるというのです!

実際の仕事でも、地盤改良の方法は悩ましく。
工法、予算、工期、安全面など。

実際のプロジェクトでも、まさに、検討中であったので
紹介してもらった時は、ヒントがあればなぁ。。。
といった、学びたい心も持ちつつ、

地面の中の、日本人の知恵と技を拝見できるとあって、
ちょっと興奮しました。

珍しい一般公開。
発掘現場にお邪魔できる機会など、そうそうないので
喜びました。

梅雨の雨空の中、前半の見学者だけでも60人を超えていて
関心の高さに驚きつつ。

学芸員さんの話に熱心に耳を傾けるみなさん。



場所は、川崎市。
現存はしてませんが、3重の塔があったとされる
官衙(かんが=役所)遺跡群。



塔の下の地盤改良は通常12M四方だそう。

それが、今回9M四方程度なので、本当に塔だったのか?
など議論も浮上しているとか。頭が痛いとオフレコ。

それでもどこか楽しそうな学芸員さんのお姿は
歴史を探ることの面白さを実感されているのだろうなと
お見受けしました。

古代の歴史は、堀起こすほどに新たな事実が出てくるのですね。
考古学と建築、しっかり繋がっているのですね。

この公開が終われば、埋め戻されてしまうので
本当に、観れるチェンスは一度きりなのにも驚きました。
ご苦労様という感じです。

実際の地盤改良方法はというと、
土を敷固めるという方法と
瓦を混ぜた土を入れるという方法でした。

弱い部分を賢固な土に置き換えるという
今でいう、置換法ですね。ここに原点があったのですね。

横線が入ってミルフィーユ状になっているのが
その証拠。



土を突き叩いて、薄くするという作業を重ねたもの。

出土した中に、入っていたという縄のような模様の
瓦も見せてもらい、

「砕石の代わりに埋めたのでしょうね。」
と学芸員さん。
この瓦で、建物建設の時代背景を探るのだとか。



瓦の再利用!エコだなぁ。。

周囲で数トンの瓦が出土されているらしく
近くに建物があった証拠でもあるそう。

その当時、瓦は貴重であったわけだから、
もしかしたら、地震で崩壊した瓦を用いた!?など
つい、熊本地震を経験した身としては、そんな関連性も考えてしまいます。
(←これは、私の勝手な推測なので、史実ではありません)

日本民家再生協会の講座でお世話になっている伝統工法を手がける大工さんが、
『大陸から入ってきた木組みが、地震国日本では、、日本独特のものに進化した。』
とおっしゃっていました。

地盤改良も、きっとそうではないでしょうか。
そうでなければ、このような面倒をやりませんよね。

世界の地盤改良というものも、
いずれは調べてみたいテーマです。

2) 過去を明らかにすればするほど、歴史は常に変わる!?

横浜市歴史博物館も、開放日に重なり
併設の古代遺跡群も合わせて、拝見しました。





考古学が専門の民家再生協会のメンバーから
掘っていけば、土の色が違うので、遺跡はわかると教えてもらました。

そういった中から、このような写真のものが出てくるのですね。



縄文式竪穴式住居の屋根が、
茅葺ではなく、土だった可能性大!

なぜなら、『土屋根の遺跡は見つかっているが、
茅葺は想像でしかなかった』という新事実も、
最近のニュース(2018年6月13日読売新聞文化面)
で知り、見解はどうなのか、聴いてみたかったので

「地面から屋根だけ生えているような住居が
時代にそぐわないなぁと、教科書を見て、子ども心に疑問に思っていたことが、
最近、謎が解けたよ〜」と話すと、

実際に縄文時代の茅葺の屋根組みは発見されていないそう。

建物の木組みまでは、
地面の穴や出土した木材などから解析できているそうなのです。

史実とされていことは、、、想像も含まれるのですね。
やはり、自分が「アレ?本当?」と思う気持ちは大事にしなくては
と、思ったものです。

そして、建築屋としては、ついつい上モノ重視。

日本民家再生協会に入っていなかったら、
土の下や古代の歴史は
知識として学んで終わりの人生だったかもしれません。

自分の仕事や、専門知識、見識を深めるチャンスを
仲間にもらったことに、感謝ですね。

日本民家再生協会なので、しっかり、民家も見学。
茅葺の屋根が、雨に濡れて、紫陽花によく合う風景です。
(記事トップの写真)

住まいの中に、七夕の竹竿が入る吹き抜け空間も素敵でした。



3) 遺跡と民家とその先にある私たちのまち・暮らし

次の日には、神奈川県建築士会の
子ども環境を考えるメンバーの活動報告会に出席。

熊本と行き来の生活を始めてからは、報告を聴くばかりです。

発表の中には、小学生の民家体験や、
地域の現存する蔵をまちづくりに活かす検討を中学生と行ったり、
遺跡がある地域を親子で探検したりなど、、、


↑2017年度活動報告表紙

民家、遺跡、×子どもというキーワードで2日間が繋がってことに
一人苦笑いです。

大磯にある日本最初の免震構造の建物紹介も、参加者からあり
あまり知られていない、地面と建物の関連知識も、また一つ、増えて。

こうしてみると自分のフィールドワークの範囲は
決して切れておらず、
すべてに繋がっていることが実感できたのも収穫でした。

先代の知恵と頑張りがあってこそ、今の技術が改良されて出来ている。
建築のものづくりは、後世に残るもの。

遺跡と民家と、その先に、今の私たちのまち・暮らしがあるのです。

探求しながら、学びながら、このブログのテーマでもある
生活者の視点も盛り込みながら、これからも、後々の人々の暮らしを考えて
建築を創っていきたいと改めて思います。

更新を、週1度にしてから、つい長文になってしまうブログです。
最後までお読みいただいている方には、感謝申し上げます。


余談です。

土日、仕事以外でも出かけるということは、
家族のお昼や夕食の仕込みをして、
早起きして掃除と洗濯物を早めに行って、、、と
慌ただしく、自分自身の休息にはならないのですが、

やはり学びの時間はどこかに設けていこう!
と、こうして充実した時間をいただいて改めて思うのでした。

報告会では「仕事や育児の合間に参加した」と途中で
慌ただしく帰る母業建築士のメンバーも、きっと同じ思いだったことでしょう。
お疲れ様、そして、ありがとう。
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