NASAは、初の「惑星防衛」の技術実証をする探査機を打ち上げました。このミッションは「DART」(Double Asteroid Redirection Test:二重小惑星方向転換試験)と呼ばれ、探査機を小惑星へぶつけることにより、軌道変更を行う実験を実施します。探査機を搭載したスペースX社のファルコン9ロケットは、日本時間11月24日午後3時21分、カルフォルニアにあるヴァンデンヴァーグ宇宙軍基地第4番発射台から打ち上げられました。
発射から約55分後にロケットからの分離に成功し、数分後には地球と最初の通信や探査機に設置されている太陽光パネルの展開も確認されました。なお、お馴染みとなったファルコン9ロケットの再帰還にも成功。このミッションでは、3回目の機体を使用し、太平洋上に待機するドローン船「Of Cource I Still Love You」へ着陸しました。
DARTは、直径780mの小惑星ディディモス(Didymos)の衛星であるディモルフォス(Dimorphos)に探査機を衝突させて、軌道変更を行います。ミッションは、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所がリードして実施されます。また、探査機にはイタリア宇宙機関(ASI)が開発したキューブサット「LICIACube」が搭載され、探査機の衝突前に切り離され、衝突の瞬間を撮影する予定です。さらに4年後、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のHeraミッションが、両方の小惑星について詳細な調査を行う予定にもなっており、「国際的な」プロジェクトといえます。探査機は、2022年9月26日から10月1日の間に、秒速6.6kmでディモルフォスに衝突する予定です。そして軌道の変更は、地上にある精密な望遠鏡により観測が可能であるとしています。
@ファルコンもすごい実績ですね。ディモルフォスは、長辺170mほどのピーナツ型をしている惑星で、それに秒速6.6キロ(マッハ20)のスピードで質量550キロの探査機をぶつける。これは、只ぶつけるだけで、爆破したり、核でふっ飛ばす実験ではない。当ててみて、惑星軌道にどんな影響を与えるか詳しく見分しデーターを集めるというもの。
将来、でかいのが地球めがけて飛んで来た時の回避プログラムの基礎データーとなる。