衛星単一通信可搬局装置(JMRC-C4)Xband通信車 TASCOM-Xと通称される
防衛省は30日、自衛隊の部隊運用に使用する独自のXバンド通信衛星の打ち上げを7月に計画していたが、衛星の空輸時のトラブルから延期する可能性があると発表した。Xバンドは周波数帯の一つで、気象の影響を受けにくく、高速大容量通信に優れ、軍事通信にも使用されている。
同省は北朝鮮の弾道ミサイル対処の情報伝達や海外派遣、災害時の陸海空3自衛隊の指揮統制の通信を高速化することを目指している。
防衛省は現在、Xバンド通信をスカパーJSATの商業通信衛星「スーパーバード」3基に依存。うち2基が2015年度に設計上の寿命を迎えたことに合わせ、独自のXバンド通信衛星を順次打ち上げる計画を進めていた。
衛星は「きらめき1号」と名付けられ、本体は三菱電機のDS2000。当初は日本時間7月13日に欧州宇宙大手アリアンスペースのロケットで南米フランス領ギアナから打ち上げる予定だった。しかし、コンテナに入れてギアナに空輸した際、コンテナに深さ40~50センチのへこみが見つかった。輸送機の貨物室とコンテナの中の気圧の差が原因とみられる。衛星の中継器のアンテナが損傷していないか確認する必要があり、半年程度打ち上げが遅れる可能性もある。
同省はXバンド通信衛星を20年度末に計3基体制にする計画で、三菱重工業のH2Aロケットで17年1月末に種子島宇宙センターからの打ち上げも予定している。
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