大統領の辞任を求める野党勢力と治安部隊が衝突して多数の死傷者が出た中央アジアのキルギスでは、バキーエフ大統領が首都から逃れたのに対し、野党側は軍も統制下に収めたとして暫定政府の樹立を宣言し、バキーエフ政権は事実上崩壊に追い込まれた。キルギスの首都ビシケクでは7日、バキーエフ大統領の辞任を求める野党支持者と治安部隊が衝突し、キルギス保健省によると、これまでに70人以上が死亡し、530人余りがけがをしした模様。衝突から一夜明けた8日、ビシケク市内では治安部隊の姿はなく、大統領府や国営テレビ局などが相次いで野党側に占拠されている。
野党側の指導者の1人、オトゥンバーエワ元外相は8日、記者会見を開いて「暫定政府の下で半年以内に新しい憲法を制定する」と述べ、暫定政府の樹立をあらためて宣言するとともに、すべての軍や国境警備隊を統制下に収めたと発表した。これに対し、バキーエフ大統領は、治安閣僚とともに首都ビシケクを離れて出身地の南部に逃れたということで、8日になっても公の場に姿を現さないうえ、声明なども発表しておらず、バキーエフ政権は崩壊に追い込まれた状況。また、ロシア政府によると、キルギスと関係の深いロシアのプーチン首相は8日、野党側のオトゥンバーエワ元外相と電話で会談し、必要な人道支援を行う考えを表明した。バキーエフ大統領は5年前、野党指導者の1人として抗議行動の先頭に立ち、長期政権を崩壊させたが、大統領に就任したあとは強権的な政治手法や政治の腐敗に対して野党側の反発が強まっていた。
2005年に「チューリップ革命」と呼ばれる政権交代劇が起きた中央アジア・キルギスで7日、大規模な反政府街頭行動が発生し、バキエフ政権が崩壊した。野党側のデモが暴徒化し、騒乱の中で大統領が首都を追われる構図は5年前と共通する。「チューリップ革命」を経て大統領に就いたバキエフ氏は、ロシアに逃れたアカエフ初代大統領と同様に強権支配の道をたどった。政権は報道・言論の統制を強化、選挙制度を改変するなどし、議会で与党「輝く道」が約8割の議席を占める翼賛体制を確立した。また、自らの親族を政府要職に起用し、“一族支配”に傾いたことも批判を買っていた。
経済情勢の悪化や公共料金の引き上げが国民の不満に拍車をかけた。キルギスは一人あたりの国内総生産(GDP)が950ドル(約8万8千円)程度の貧国。従来、ロシアでの出稼ぎ労働が主要な外貨獲得源となっていただけに、ロシアの経済不振がキルギスに及んだ側面もある。バキエフ氏は09年の大統領選で再選を果たしたものの、国際選挙監視団はこの選挙の実態を批判。反政権派は「革命」から丸5年を期し、3月から抗議行動を強めていた。キルギスでは米国がマナス空軍基地をアフガニスタンでの対テロ作戦の拠点として使用するほか、ロシアもカント空軍基地を置いている。中央アジアではイスラム過激派勢力の動きが活発化していると指摘され、キルギス情勢の混乱が地域全体の政情不安につながる可能性も排除できない。
@日本でもこうした構図で、鳩山政権を倒したいものだ。
野党側の指導者の1人、オトゥンバーエワ元外相は8日、記者会見を開いて「暫定政府の下で半年以内に新しい憲法を制定する」と述べ、暫定政府の樹立をあらためて宣言するとともに、すべての軍や国境警備隊を統制下に収めたと発表した。これに対し、バキーエフ大統領は、治安閣僚とともに首都ビシケクを離れて出身地の南部に逃れたということで、8日になっても公の場に姿を現さないうえ、声明なども発表しておらず、バキーエフ政権は崩壊に追い込まれた状況。また、ロシア政府によると、キルギスと関係の深いロシアのプーチン首相は8日、野党側のオトゥンバーエワ元外相と電話で会談し、必要な人道支援を行う考えを表明した。バキーエフ大統領は5年前、野党指導者の1人として抗議行動の先頭に立ち、長期政権を崩壊させたが、大統領に就任したあとは強権的な政治手法や政治の腐敗に対して野党側の反発が強まっていた。
2005年に「チューリップ革命」と呼ばれる政権交代劇が起きた中央アジア・キルギスで7日、大規模な反政府街頭行動が発生し、バキエフ政権が崩壊した。野党側のデモが暴徒化し、騒乱の中で大統領が首都を追われる構図は5年前と共通する。「チューリップ革命」を経て大統領に就いたバキエフ氏は、ロシアに逃れたアカエフ初代大統領と同様に強権支配の道をたどった。政権は報道・言論の統制を強化、選挙制度を改変するなどし、議会で与党「輝く道」が約8割の議席を占める翼賛体制を確立した。また、自らの親族を政府要職に起用し、“一族支配”に傾いたことも批判を買っていた。
経済情勢の悪化や公共料金の引き上げが国民の不満に拍車をかけた。キルギスは一人あたりの国内総生産(GDP)が950ドル(約8万8千円)程度の貧国。従来、ロシアでの出稼ぎ労働が主要な外貨獲得源となっていただけに、ロシアの経済不振がキルギスに及んだ側面もある。バキエフ氏は09年の大統領選で再選を果たしたものの、国際選挙監視団はこの選挙の実態を批判。反政権派は「革命」から丸5年を期し、3月から抗議行動を強めていた。キルギスでは米国がマナス空軍基地をアフガニスタンでの対テロ作戦の拠点として使用するほか、ロシアもカント空軍基地を置いている。中央アジアではイスラム過激派勢力の動きが活発化していると指摘され、キルギス情勢の混乱が地域全体の政情不安につながる可能性も排除できない。
@日本でもこうした構図で、鳩山政権を倒したいものだ。