さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

それぞれの夢美しく野菊の花が咲いてiいる

2015-10-01 | 日記
秋の野辺いっぱい野菊が咲いて綺麗です



人それぞれの思いがあって見る野菊です



野菊の花は素朴で清純で美しい



[野菊の如き君なりき]
美しい言葉ですよね。私など野菊の花を見るといつもこの言葉が思い浮かぶんです。
明治時代の歌人伊藤左千夫の小説「野菊に墓」を木下恵介監督脚本で映画化された時の題名です。

 野菊の墓は、「美しく悲しい恋を回想して」という書き出しの小説ですよね。15歳の正夫と、正夫より2歳年上17歳の従姉民子との清純で美しくそして悲しい恋の物語ですよね。

 15歳の正夫と2歳年上の民子の恋の行く末を案じた正夫の母親や親戚の大人たちはその恋を終わらせようと、正夫を早々と遠く離れた学校へ送り、17歳の民子は無理強引に豊かな家に嫁がせました。
(当時は夫より年上の妻などは考えることの出来ない時代でもあったんですね)

 正夫はせいいっぱい学業に励みましたけど民子への思慕の思いも消えることはありませんでした。

 悲しみに沈む民子は病がちで婚家とも折り合わず実家に帰るのですが身ごもっていました。病がちの民子は流産してのち亡くなってしまいました。

 民子が息を引き取る前までしっかりと手にに持っていた紅絹(もみ)の小さな袋を明けて見ると正夫の写真と正夫から手紙が入っていたのです。

 そんなことを知らない正夫は1学期も終わり、民子に会えることを楽しみ帰省して民子のことを知り悲しんで民子の墓を訪れると墓の周りには美しい野菊の花がいっぱい植えられて咲いていたのです。

「僕は野菊の花が好きだ、そして野菊のような美しい君を僕はは好きだ」
 遠い山辺の畑で二人だけでえんだ綿を摘み、二人でお昼を食べた時正夫は廻りいっぱいに咲いている野菊を摘んで民子に渡しそう言ったのです。

 遠い明治時代の美しく悲しい恋の物語ですけど、私は野菊の花を見るといつもこの「野菊の如き君なりき」という言葉が思い浮かぶんです。

 少年の日の初恋って誰でも清純でひたすらでそしてなにか悲しく忘れることの出来ない美しい思い出なんでしょうかね。今年もいっぱい美しい野菊が咲きました。