地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

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サワサワ

2009年06月19日 10時29分11秒 | ケニア

 「サファリ」は世界中で最もポピュラーなスワヒリ語ではないでしょうか? サファリはスワヒリ語で「旅」「旅行」という意味をもっています。
 私たちがサファリを楽しむ国立公園や国立保護区には、動物たちや自然を保護する囲いがあるため、ある意味、広い広い動物園のようにも感じさせますが、実情はまったく違います。例えば、昨年訪れたケニアのマサイマラ国立保護区(ここはサファリカードライバーの判断で、好きな道を選び走ることができることで知られています)は、大阪府とほぼ同じだけの広い面積があります。動物たちは決められた(といっても広大ですが)環境の中でも完全な野生の生活をしています。

 地図で見ると赤道直下にあるケニアは、大半が高度1500m~2000mの高地で、実は猛暑とは無縁な国。雨季・乾季はあっても、年中同じような気候で四季のないケニアは、朝晩寒くて日中急激に気温が上がるため、一日の中に四季があるという人もいます。朝が春、日中が夏、夕方が秋、夜が冬に例えられます。

さぁ旅(サファリ)がスタートです。
午前中、すなわち春に動物たちは餌を求めて活発に動きます。日の出前に宿泊ロッジを出発すると、近くにはバブーン、シマウマ、イランド、ウォーターバック、トピ達が待ち構えています。ガゼルはシッポを振って歓迎しています(実際には仲間への合図だそうです)。野生の宝庫アフリカのサバンナで繰り広げられる、本当の野生のドラマが始まります。

 徐々に日が昇り、朝日を見ながらティー・タイムもいいかもしれません。弱肉強食の営みはまさに日常で、そこには生きることの厳しさ、儚さ、そして、美しさがあります。ライオン、ヒョウ、チーターは、ハンティングシーンの迫力もさることながら、彼らの親子や夫婦の愛情は微笑ましく感じさせてくれます。お腹が一杯になったライオンは無防備な姿で寝転んでいて、もう獲物を狙うことはありません。ディクディクや灰色キツネなど、小動物たちも元気です。ハイエナはやはり一人ぼっちです・・・。

 夏の始まるお昼前、象の家族は子象を守るように木陰で休んでいます。私たちも一度ロッジへ戻り、休憩しましょう。お昼ご飯の後、本を読んだりお昼寝をしたり、のんびりと過ごしたら、夕方、秋の旅行シーズンが始まります。もう一度動き出す動物たちを探して、サファリカーに乗り込みます。非日常の光景にもすっかり慣れて、動物たちを探すのも上手になってきました。水辺で横たわるカバ、水面から目だけがこちらを向いているカバもいます。

 ふと気付くとヌー達が一列になってどこかへ向かっています。ものすごい数のヌー、ヌー、ヌー、ヌーがマラ川に向かっています。鳴き声と足音と土煙、大地が揺れるとはまさにこういうことを言うのでしょう。私たちもポレポレ(ゆっくり)してはいられません。何かが始まる予感に期待を膨らまし、サファリカーを走らせ彼らの先頭に追いつきます。マラ川の手前で、足踏みしながら彼らは今か今かと川を渡るタイミングを見計らっています。
 それっ!という掛声が聞こえたような気がしました。大群が一斉に決死のジャンプ、川を渡りだします。ワニなどの天敵に食べられてしまうヌーも少なくありません。草を求め命がけで川を渡るヌー達。私たちは時間がたつのも忘れてただただその光景を見つめるばかりでした。先ほどのカバも私たちと同じように、少し離れたところで水面から目を出し様子をうかがっています。

 呆然としたまま、森のほうへ目を移すと、キリンや可愛らしいイボイノシシ達の姿がみえました。ジャンボ(こんにちは)!ふっと現実に引きもどされほっとします。サバンナに生えるアカシアの木と感動的な夕暮れ、アサンテ(ありがとう)です。
 あたりが暗くなり、冬が始まりかけたころ、最後の最後でクロサイの親子が姿を見せてくれました。



 世界には素晴らしい建築物や、感動する美しい景色、心に残る訪問地がたくさんあると思いますが、心が揺さぶられるような場所は、私は何といってもここアフリカ・ケニアだと思います。気づいたら夢中になって、動物たちのドラマから目が離せなくなっています。純粋に楽しい!と思える場所ではないでしょうか。常に違った感動を与えてくれ、そしてドキドキさせてくれる、アフリカ・ケニアに計り知れない魅力を感じます。
 今年の秋は、是非ケニアにお出かけになりませんか。
 サワサワ(行きましょう)。

(西川 太陽)



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