セカイの周縁

世界の中心から遠く離れた縁っこで、細々と生きている―そんな日常の中でアンテナにひっかかったモノゴトを。

太宰治『皮膚と心』

2005-02-01 20:34:13 | よもやま
私が今まで、おたふく、おたふくと言って、
すべてに自信がない態を装っていたが、
けれども、やはり自分の皮膚だけを、それだけは、こっそり、いとおしみ、
それが唯一のプライドだったのだということを、いま知らされ……。

ちくま文庫「太宰治全集3」より


自分の器量がよくないことや父親を亡くしていることなど、
自分の人生の「不幸せなこと」について嘆き悲しむ28歳のヒロイン。

ある日突然、体に吹き出物ができ、それがひどくなって初めて、
自分は「すべてに自信がなかった」のではなくて、
自分の中でそれなりに愛し、誇りに思っていた部分もあったのだ
ということに気づく。この彼女の気づきが愛しい。

心のスポットライトが、
自分の持ち得ないものに当たっているか、
自分の持っているものに当たっているかで、
人生の明暗が大きく分かれるように思う。

幸い、彼女の吹き出物は、大した症状ではないという
医者の見たてであった。
この先の彼女の人生が、幸多いものであることを祈る。

そして私も、もっと「自分の持っているもの」に
スポットライトを当てて生きようよ。
それが自分を「慈しむ」ということではないだろうか。


一週間ほど前に観た「ハウルの動く城」でも、
女性の容姿コンプレックスについてふれられていて、
偶然読んだこの作品も同じようなテーマだったので、
何だか「意味のある偶然」を感じた。

寒いね~。

2005-02-01 15:08:33 | さんぽ
朝起きて、ネットの天気予報をチェックしたら、
名古屋に雪だるまマークがついていた。
えっ?と思って外を見たが、いい天気だった。

やっぱ、名古屋は雪が降りにくいんだな。
でも、外気は、ハンパなく寒い。
太陽のぬくもりが、冷たい風に吹き飛ばされて、届かない。
寒い~ッ!

日本海側は大雪か……

と思ってたら今、みるみるうちにどんよりした雲におおわれ、
激しく雪が降ってきた。

と思ったらやんで、また、太陽が顔をのぞかせている。

再び天気情報を見ると、今日のうちはもう降らなそう。
明日の朝方が、また雪だるまマークだ。