昨夜、韮崎エレクトロンホールで行われたユンディリのコンサートに行ってきました。
ショパンコンクールイヤーにふさわしくオールショパンプログラムでの演奏です。
4月6日から始まった日本各地を回るコンサートツアーの最終日でした。
このツアーではサントリーホールでの2回のコンサートも含まれていました。
わざわざ東京まで行くことなく、ユンディリが近所まで来てくれるのですから、こんなラッキーなことはありません。
さぞかし、たくさんの方が観に来ているだろうと想像していたところ、1000席あるホールには空席も目立ちます。
前の方のS席は大体埋まっているのですが、安い席はガラガラでした。
ショパンコンクールの覇者といえども田舎では1000席を埋めるのは難しいのかもしれません。
これが同じ中国人で北京オリンピックの開会式で演奏したランランや、前回のショパンコンクールの覇者ラファウ・ブレハッチだったらどうなんだろう。
ポリーニだったらどうなのか。ポリーニの場合はチケット代がもっと高くなるから人気はあっても難しいし、絶対来ないでしょうけれどね。
今、地方の客席を満席にできるピアニストはフジコヘミングと辻井伸行ぐらいかもしれません。
演奏はと言うとさすがに最初の1音から圧倒されます。
CDで聞くとちょっと線の細い感じがしていたのですが、そんなことはなく端正な演奏でした。
まだ、20代のはずですが、ずいぶん貫禄が出てきていましたね。
ランランの音が虹色に輝く真珠の粒なら、ユンディリは透明で硬質でいながら柔らかさを感じる水晶の粒という感じでしょうか。
ユンディリの演奏は、もっとデコラティブな演奏をする同じショパンコンクールの覇者だったブーニンや入賞者だった及川浩冶とは対照的です。
思い入れたっぷりでオーバーアクション、ピアノの音という枠からはみだしてオーケストラの音を感じさせるランランに対し、ユンディリはピアノという小宇宙の創造者といった趣です。
今まで全く共通点がないと思っていたこの2人の演奏に、大陸的なおおらかさという共通点があったのは意外でした。
こんなところにお国柄というのが滲みでたりするんでしょうか。
演奏曲目はノクターンの1,2,5,8,13番とアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調、マズルカ第22番から25番、ピアノソナタ第2番「葬送」、英雄ポロネーズでした。
アンコールは演奏曲目でもあったノクターン「別れの曲」、せっかくのアンコールなんだから演奏した曲ではなく別の曲、たとえばワルツなんかを演奏してもらいたかったですね。
それがちょっと残念でした。
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