中高年の患者さんには「膝が痛い」という方が非常に多いですね。
私が受け持っている患者さんの半分近くは「膝痛」のです。
整形外科に行くと「歳だから・・・」と言われてしまう「変形性膝関節症」という疾患があります。膝の関節にある軟骨が磨り減ってきて膝が痛くなる、というものです。中には「水がたまったので抜いてもらった」なんて話しはよく聞きます。
長い間、膝に負担をかけ続けて段々軟骨が磨耗してしまったわけです。膝にかかる衝撃を吸収するのは勿論軟骨もそうなんですが、太ももの前側にある4つの筋肉(大腿四頭筋)が衝撃を吸収する大きな役割をしています。ところが中高年になり、運動を行わなくなり筋力の低下が進むと、膝にかかる衝撃は大きくなっていき、その分軟骨に大きな負担がかかっていき磨耗していってしまうわけです。
また骨格的な要因も原因があります。
日本人はO脚気味の人が多いといわれています。特に中高年の方は、畳の上で正座をして座るという生活習慣があったせいでO脚が多いとのことです。O脚(内反膝)の場合は、膝の内側に負担がかかりやすく、その影響で膝の内側に痛みが出やすくなります。ですから根本的に治すにはO脚を改善させていく必要もあるわけです。
しかし整形外科ではO脚を改善させるようなリハビリは行っていないでしょう。せいぜい太ももを鍛えるようなリハビリでしょうか。電気をかけて終わり、なんてところもあるかもしれません。これではなかなか回復できないでしょう。膝というのは毎日必ず負担がかかるからです。ですから治しにくい、治りにくい(ここで「治る」というのは痛みがなくなることを意味します。軟骨が元通りということではありません)のです。
ですから治療に通う他にも患者さんには是非、自分で治すように努力していただきたいのです。自分で治す、というのはドクターや治療してくださった先生の指示をしっかり守り、少しでも実行していただきたいのです。
ではここで簡単に膝が痛い人のための体操及び注意点(自分でできるリハビリと考えてください)を紹介したいと思います。
①歩き方に注意しましょう。
踵からしっかりと着地して、つま先でしっかり地面を蹴ること。足の指で地面を掴むように指に意識を向けてもいいでしょう。内側が痛むO脚の人は、最後に足の親指側でしっかり地面を蹴るように歩くだけで痛みを減らすことが可能です。軽度の人であれば歩き方を変えるだけで治る方もいるくらいです。
②足のアーチを作る為に、足指を出来るだけ動かしましょう。
テレビを観ながら、お風呂に浸かりながら、どんなときでもけっこうです。指を1本1本丁寧に回してみましょう。指を広げるようにするのも効果的です。タオルギャザーというエクササイズもいいです(足指でタオルを手繰り寄せていく運動)こうすることで指の間の筋肉を動かせるので、足の骨格を正常に保ちます。足の骨格が正常だと、足でできているアーチで衝撃を吸収できるようになり膝への負担が軽くなります。また外反母趾にも有効ですよ。
③太もも、ふくらはぎをストレッチでよく伸ばしましょう。
簡単に言えば柔軟体操です。太ももの前側、後ろ側、ふくらはぎをしっかり伸ばします。勢いをつけずにゆっくりじっくり伸ばします。太ももの後ろ側とふくらはぎは、両足を前に伸ばして前屈ですね。身体が硬い人はタオルを足の裏にひっかけてタオルを引っ張るようにしながら、かるく身体を前に倒していきます。太ももの前側を伸ばすには、横向きに寝て膝を曲げて(股関節は曲げないようにしてください)足の甲や足首を掴みゆっくり曲げていきます。曲げるのがツライ人は、やはりタオルを足首にひっかけて、ももが軽く突っ張るくらいまで曲げていきます。このときに膝が痛いのを無理してやる必要はありません。「筋肉が伸ばされてつっぱてきたな」と感じたら(この時点ではそんなに痛くないはずです)20~30秒はその状態を維持して、じっくり伸ばしましょう。20~30秒たったら、少し(数十秒)休憩し繰り返します。これを3回くらい行ってみてください。できれば毎日行ってください。
とりあえず、この3つはできるだけ行って欲しいことです。
明日はこの続きをお話しします。
私が受け持っている患者さんの半分近くは「膝痛」のです。
整形外科に行くと「歳だから・・・」と言われてしまう「変形性膝関節症」という疾患があります。膝の関節にある軟骨が磨り減ってきて膝が痛くなる、というものです。中には「水がたまったので抜いてもらった」なんて話しはよく聞きます。
長い間、膝に負担をかけ続けて段々軟骨が磨耗してしまったわけです。膝にかかる衝撃を吸収するのは勿論軟骨もそうなんですが、太ももの前側にある4つの筋肉(大腿四頭筋)が衝撃を吸収する大きな役割をしています。ところが中高年になり、運動を行わなくなり筋力の低下が進むと、膝にかかる衝撃は大きくなっていき、その分軟骨に大きな負担がかかっていき磨耗していってしまうわけです。
また骨格的な要因も原因があります。
日本人はO脚気味の人が多いといわれています。特に中高年の方は、畳の上で正座をして座るという生活習慣があったせいでO脚が多いとのことです。O脚(内反膝)の場合は、膝の内側に負担がかかりやすく、その影響で膝の内側に痛みが出やすくなります。ですから根本的に治すにはO脚を改善させていく必要もあるわけです。
しかし整形外科ではO脚を改善させるようなリハビリは行っていないでしょう。せいぜい太ももを鍛えるようなリハビリでしょうか。電気をかけて終わり、なんてところもあるかもしれません。これではなかなか回復できないでしょう。膝というのは毎日必ず負担がかかるからです。ですから治しにくい、治りにくい(ここで「治る」というのは痛みがなくなることを意味します。軟骨が元通りということではありません)のです。
ですから治療に通う他にも患者さんには是非、自分で治すように努力していただきたいのです。自分で治す、というのはドクターや治療してくださった先生の指示をしっかり守り、少しでも実行していただきたいのです。
ではここで簡単に膝が痛い人のための体操及び注意点(自分でできるリハビリと考えてください)を紹介したいと思います。
①歩き方に注意しましょう。
踵からしっかりと着地して、つま先でしっかり地面を蹴ること。足の指で地面を掴むように指に意識を向けてもいいでしょう。内側が痛むO脚の人は、最後に足の親指側でしっかり地面を蹴るように歩くだけで痛みを減らすことが可能です。軽度の人であれば歩き方を変えるだけで治る方もいるくらいです。
②足のアーチを作る為に、足指を出来るだけ動かしましょう。
テレビを観ながら、お風呂に浸かりながら、どんなときでもけっこうです。指を1本1本丁寧に回してみましょう。指を広げるようにするのも効果的です。タオルギャザーというエクササイズもいいです(足指でタオルを手繰り寄せていく運動)こうすることで指の間の筋肉を動かせるので、足の骨格を正常に保ちます。足の骨格が正常だと、足でできているアーチで衝撃を吸収できるようになり膝への負担が軽くなります。また外反母趾にも有効ですよ。
③太もも、ふくらはぎをストレッチでよく伸ばしましょう。
簡単に言えば柔軟体操です。太ももの前側、後ろ側、ふくらはぎをしっかり伸ばします。勢いをつけずにゆっくりじっくり伸ばします。太ももの後ろ側とふくらはぎは、両足を前に伸ばして前屈ですね。身体が硬い人はタオルを足の裏にひっかけてタオルを引っ張るようにしながら、かるく身体を前に倒していきます。太ももの前側を伸ばすには、横向きに寝て膝を曲げて(股関節は曲げないようにしてください)足の甲や足首を掴みゆっくり曲げていきます。曲げるのがツライ人は、やはりタオルを足首にひっかけて、ももが軽く突っ張るくらいまで曲げていきます。このときに膝が痛いのを無理してやる必要はありません。「筋肉が伸ばされてつっぱてきたな」と感じたら(この時点ではそんなに痛くないはずです)20~30秒はその状態を維持して、じっくり伸ばしましょう。20~30秒たったら、少し(数十秒)休憩し繰り返します。これを3回くらい行ってみてください。できれば毎日行ってください。
とりあえず、この3つはできるだけ行って欲しいことです。
明日はこの続きをお話しします。