発酵力の強い酵母が作りたい。
やっぱり酵母パンなんですから、もとの小麦種のパワーや味はとても重要だと
酵母パンを作り始めて7年。いまさらながら考え直しこの3カ月取り組んだ。
レーズンエキスを作ってストレート法でパンを焼いてその違いを見たり、
小麦種をメインに1%、2%、5%とエキスを足して同じパンを焼いたり。
結果は味やふくらみに大きな差をつけ、改めて「かしこ」パンの味や作りは
このままで大丈夫なのかを再確認する大切な作業となった。
しかし、エキスの発酵力を助けにして何度かパンを焼いていくと、
エキスの発酵力が日に日に落ちてくると、もちろんふくらみは落ちる。
うかれていた食パン作りもまた闇に突き落とされてしまった。
やっぱり生き物ですから、いいとこどりをしようとした私には微笑んでくれなかった~
というわけで、こねとこねあげ温度など“作り方”について今度は考えるように。
寒い季節は室温も材料の温度も極端に低く、目標の23~26度に持っていくには
かなりの配慮が必要。
それは水温だったりで調整が可能な分、実験するにはちょうどいい季節でもある。
夏はとてもせかされるし、人と同じで暑さに参ってすぐダレてくる。
「かしこ」開業一年目の夏は正直納得のいくパンはほとんど作れず、
ワインセラーを改造して作ったホイロも実力を発揮しきれなかった。
私のパンは基本23度前後で12時間の発酵を基本としている。
そのためにはこねあげ温度や環境をある程度同じにする必要があるので
こねてる最中もこねあがりもパンチを入れる時も生地温度を計るし、
ホイロの中も部屋の中も温度計だらけ。
まぁ、性格が適当すぎる私はそのくらいやらないと本当に適当になっちゃう(笑)
冒頭にものせたこちらの写真。
気泡が比較的均一に作られているのが分かりますか?
これが、ミキシングがうまくいってないと不揃いになり、下の方だけ発酵したりしてしまう。
私の元だねに限っての話で全部のパンに共通して言えることではありません。
でもこういう発酵ができた時の元だねはとても甘く、芳醇な香りを発します。
伸びもよく、発酵もスムーズに、しかもカサがでる。
ようはミキシングによって発酵元をいかに均一にいきわたらせ、ミキシングの完了を見極めるか。
それがとても大切だと気づいたのです。
そのためにはこね方と共に温度がとても大切になってくる。
こねあげ温度はその後の発酵に大きく影響するから。
低温長時間発酵になればなるほどそれは大切な条件になるんじゃないか?
え?私が手作りホイロと一台の50ℓオーブンでパン屋なんかやってるから
そんなにシビアになってるんだって?
ま、そうなんですけどね~
だって、窯入れぶつかるとどっちかのパンがダメになっちゃうんだも~ん。
とりあえず元だねの発酵力が以前に比べて格段に良くなってきてちょっとほっとしています。
(かしこ)