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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

大阪市長は青少年会館に集う子どもに会うか?会わないか?

2006-12-17 12:23:58 | 私の「仲間」たちへ

私が人づてに聞いたところでは、今日、大阪市のある青少年会館に集う子どもたちのサークルが、今後の自分たちの活動場所がどうなるかについて考える会を開く予定だとか。また、その会には、ぜひ大阪市長にも来てほしいという呼びかけをしたとか。そんな声が、私の耳にも届いてきました。

さて、これに対して、大阪市長は実際にその集会の開かれる場まで足を運び、子どもたちと話し合うのでしょうか? あるいは、市長自身が行けないとしても、誰か市行政当局の幹部を派遣して、この会で子どもたちの意見を聞くようにする等の配慮を行うのでしょうか?

もしも本当に子どもを含めた利用者の意見を聞く手順を踏むことに市長が積極的であれば、少なくとも私は、内容の是非はさておき(今もなお、あの中身には問題が多いと思っていますので)、11月末に市長が出した方針はそれなりに誠実さを伴って履行される、という風に考えます。

しかし、この場に誰も派遣しない、もちろん、市長自らも足を運ばないということであれば、「あの11月末に出した市長のコメントはなんであったのか?」と言わざるをえません。

なにしろ、11月末にあらためて青少年会館条例の廃止等の方針を出した際、大阪市長は「今後、施設運営の具体化にあたっては、利用者や市民の意見を聞く場を設け、地域ごとに説明会を開催するなど市民への説明責任を果たしていくこととしたい」と、市長方針につけたコメントのなかで自ら述べているわけですから(しかも、このコメント文書は、大阪市市民局のホームページで公開されているので、誰でも閲覧可能)。

だとしたら、今後の青少年会館のことで最も大事に考えられるべきなのは、まずはそこを利用する「子ども」であり、「若者」のことでしょう。その子どもたち・若者たちが、自分たちの集う会館の今後について考える場を設け、そこに市長や市行政の幹部職員を呼ぼうとしているのに、そこに「誰も行かない」なんてことがあったら、「いったい、あのコメントはなんだったのか? 本当に約束守る気あるの?」ということにもなりかねません。

ついでに、私が今、一番危惧しているのは、これから市内12館で開催されるであろう説明会に対して、例えば市長自らが、あるいは助役や局長級など市行政の幹部が誰一人来ることなく、市行政の末端に位置する課長補佐・係長クラスの職員にその会合を行わせてしまうということ。こういうことをやってしまうと、おそらく、利用者や地域住民の側から見て、「市長以下の幹部は、自分たちで利用者や地域住民、さらには現場職員に無理難題を押し付けるような方針を決めておきながら、一番イヤな仕事の部分は行政の末端職員に押し付け、自分たちは安全なところに逃げまくっている」という印象を与えてしまいます。こうなると、ただでさえ、この間の市長方針を決めるまでのいきさつで、大阪市の行政のあり方に不信感を抱く利用者や地域住民も多いのに、それを余計に増幅させることにもなりかねません。

そういった意味で、今日、子どもたちの集会に対して大阪市長がどういう態度をとるのか。それから、これから年度末に向けて各地区で開催される説明会に、市長側がどういう役職のどういう人物を送ってくるか。そこをちゃんと見ましょう。それを見ることで、11月末の市長コメントにある「利用者の意見を聞く」とか「説明会を開く」ということが、「形だけやったことにする」というレベルで終わるのか、それとも「本当に話を聴く姿勢を持っているのか」がわかってくると思います。

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