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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

大阪市の保育施策についていろいろ思うこと

2018-02-15 22:20:24 | 国際・政治

大阪市予算案 子育て支援に重点 02月15日 17時39分 (NHK関西ニュースWEB)

http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180215/4753021.html

このNHK関西ニュースで報じられている内容について、先ほどツイッターで続けてつぶやいた内容を、以下のとおり整理してこちらにも書いておきます。

なお、若干、ツイッターからこちらに転載するにあたって、言葉を変えております。

○まず、大阪市「公立保育所新再編整備計画」(平成25年4月(平成29年6月改訂))では、平成16~26年度の11年間で、65か所の公立保育所の休廃止と民間委託で約45億6千万円、保育士600人等の削減「効果」があったそうです。

http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000214/214642/201706honpen.pdf

○だから、過去約11年間でかなりの公立保育所をなくし保育士等の人員と予算削減を行った上で、今度はお金出して「子育て」重点とか言うてるわけです。だったらなぜ減らしたの、今まで? 私はそう思ってしまいます。

○それでもなお民間委託に際して、公募にかけたときに「やりたい」と手を挙げる法人がいればいいわけです。でも、大阪市の公立保育所の民間委託については、一時期は公募に手をあげる法人がそこそこあったようですが、この資料を見るとだんだん応募するところが減りつつあります。

http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000214/214642/201706kaitei.pdf

 

○だから、「あのとき公立保育所の民間委託するのやめといて、直営のまま置いておけば、今頃は待機児童の数ももうちょっとマシだったかも」とか、「ベテラン保育士の数もそこそこ確保できていたんではないか?」とか、そういうことがそろそろ、大阪市の保育施策には起こりつつある状況ではないですかね。

○でも、それでもこの予算案が一見「子育て重視」に見えてしまうのは、これまでにいっぱい子どもに関する施策や施設をつぶしてきたからではないかと。少なくとも私は大阪市の公表データからそのように理解しています。

○私たちはもうそろそろ「一方で次々に大阪の子どもに関する施策や施設をつぶしておいて、他方でほんのちょっとだけ、いいことしてみせて、評判をえる」という政治的な手法に対して、私たちも気がつかなければいけない時期に来ていると思います。そのためには私らにもある程度の「学習」が必要かと思います。

以上が、先ほどツイッターでつぶやいたことの「まとめ」でした。


 


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