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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

今日(11月18日)のプリキュアの話です。

2018-11-18 10:39:31 | プリキュア話

おはようございます。

久々に家に居られる日曜日なので、いつもどおりプリキュア見てました。

今年の「HUGっとプリキュア」も、実質的にあと2か月。年末年始の放送休止回を挟んだら、あと残り9回くらいですかねぇ、放送は。となると、いよいよ今年の物語の「総まとめ」の段階に入ります。

また、例年ですとその「総まとめ」の前半部分に、この1年間のひとりひとりのプリキュアの成長をふりかえるような、そんな回がプリキュアの人数分、入ってきます。その成長をひとりひとり振り返る回がおわったら、いよいよラスト。今年の敵のボスとの対決場面に至るのが例年の流れですね。

まぁ、そんなわけで、今回の放送分は「いよいよ総まとめだなぁ~」ということを予感させるストーリー展開でした。

また、今年のプリキュアの物語の大枠を語りつつ、ひとりひとりのプリキュアの成長をふりかえらせることができる…。そういう展開が可能になったのが、今回明らかになったドクター・トラウムとルールーちゃん(キュアアムール)の不思議な父娘関係でした。

ここで「不思議な父娘関係」と書いたのは、なにしろルールーちゃんはクライアス社のつくった高性能AI搭載のアンドロイド。ドクター・トラウムはプリキュアたちに倒されましたが、かつてはクライアス社の顧問「だった」人物です。そのトラウムがプリキュアたちのところへ「お父さんだよ~」といって現れて、ルールーちゃんにぶっとばされるところから、今回の話がスタートします。

そのトラウムは「未来の話」をプリキュアたちに伝えたくてやってきたといいます。ここでトラウムの口から、今年の物語の大枠が語られます。また、トラウムの話のあとで、イクメン風のハリー(=ほんとうの姿はハムスターみたいな妖精)が、その続きを語ります。具体的に言いますと…。

はるか遠い未来で「未来をなくすことで人びとの平安が訪れる」と考えたクライアス社と、マザーの力でそのクライアス社とたたかう未来のプリキュアたちがいた。未来のプリキュアたちは必死に戦ったけど、クライアス社に敗れてしまう。そのプリキュアのひとり、キュアトゥモローが最後の力をふりしぼって、クライアス社に改造されていたハリーを助け出し、過去の世界に救いを求めるべく送り出した。そのときにハリーがいっしょにキュアトゥモローを連れ出そうとしたが、過去の世界=つまり、今のプリキュアたちの暮らしている世界にたどり着いたときに、キュアトゥモローは赤ちゃんになっていた。その赤ちゃんが、はぐたんってことですね。

それで、ここまでわかってきたところで、「じゃあ、なぜかつてクライアス社に居たトラウムが、こんな話を自分たちプリキュアにするのか?」ということですね。そこでトラウムは「自分には矛盾した心がある」と言って、次のことを語ります。

クライアス社で高性能AIを搭載したアンドロイド・ルールーを開発したときに、トラウムはルールーに「自由でのびのびと育つ」というプログラムを入れたと。その結果、ルールーはわがままで、やんちゃなアンドロイドになってしまった。掃除の仕方、あいさつの方法等々をひとつひとつ教えようとしても、なかなか言うこと聴いてくれない。でも、そんなルールーとかかわっているうちに、どこか自分の娘を育てているような感覚が生まれた。そんな自分の気持ちが怖くなってルールーのAIのプログラムを消して、ルールーの前を立ち去った…。

もしかしたら、今年のプリキュアは「多様な家族」を全面的に推し出しているわけですが、さまざまな事情で「親と離れて暮らさざるをえない子ども」や「父子家庭」の物語を描くにあたって、この「アンドロイドとしてのルールーと、その制作者としてのトラウムの父娘」という形をつかったのかもしれません。そういうことを何の配慮もなく幼児も見ているアニメで語るのは、確かにむずかしいことでしょう。なので「アンドロイドと制作者」という枠組みが必要だったのかもしれませんね。ちなみに、フィギュアスケートの選手として活躍するほまれちゃん(キュアエトワール)が母子家庭で、祖父母とともに暮らしているという話も、今年は描かれていましたが…。

まあしかし、いきなり自分のところへ「お父さんだよ」とやってきて、こんな話をトラウムから聴かされて、ルールーちゃんは当然、当惑しますよね。「理解不能」と言ってプリキュアたちの前を立ち去って、どこかへ行ってしまいます。でも、たこ焼き屋でやけ食いしているルールーちゃん(=こういうところが「ほんまにアンドロイドなの?」という感じなのですが)をはなちゃん(キュアエール)が見つけて、もう一度、トラウムと話してみることをすすめます。そのときに「ルールー・アムールという名前のアムールって、愛っていう意味だよね」という話も、はなちゃんから語られます。

そして、あらためて丘の上でルールーちゃんはトラウムと向き合って、自分の名前の由来を聴きだします。そのときに、えみるちゃん(キュアマシェリ)といっしょにギターを弾いて、自作のうたを聴かせたりもするわけですね。まあ、要するに、高性能AIを埋め込んだアンドロイドのルールーちゃんに、トラウムはまるで我が子を育てるような「愛」でかかわり、人間らしい「心」も埋め込んでしまった。その「愛」や「心」の部分が、今のプリキュアたちとの暮らしのなかで目覚めてしまった…というわけですが。

そんなルールーちゃん、えみるちゃんやトラウムのところへ、クライアス社のジェロスが猛オシマイダーを連れて「裏切り者!」といって攻撃をしかけます。プリキュアたちは苦戦しますが、そこへトラウムが自作のロボットをつくって抗戦します。「親が子どもを守って、なにがわるい!」と言って。そんなトラウムの姿を見て、キュアアムールは反撃。そこからマザーの力をつかって(先週、録画が切れていて私が見ることができなかった部分で、この力が登場した様子)プリキュア5人全員の力で猛オシマイダーを退治します。

ラストのシーンですが、ルールーちゃんはトラウムに「いつか、いっしょにごはんが食べられたらいいね」と伝えます。そこで調子に乗ったトラウムは「お父さんって呼んで」とか言って、またルールーちゃんに避けられるのですが。

それとともに「未来の世界から来たはぐたんが大きくなって、ハリーといっしょにいつか未来の世界に帰るのなら、ルールーも帰るの?」ということに、えみるちゃんが気付きます。そのことを聴いて、ハリーにほのかな想いをよせるほまれちゃんも、ちょっと表情に陰りが見えます。どうやらこのあたり、今の世界に生きるプリキュアたちと未来から来たはぐたん・ハリー・ルールーの関係がどうなるかが、次週から最終回に向けての大きなテーマになりそうです。


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