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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

先日の練馬区の中学校組体操事故の件、今度は新聞社へ連絡をしてみました。

2016-06-12 20:17:55 | 受験・学校

先日の練馬区立中学校での組体操事故に関して、今度は東京新聞にひとつ、メールを送ってみました。

内容は以下のとおりです。

まあ、3月末に出たばかりですが、まだ新聞記者さんもこの「学校事故対応に関する指針」について、よくご存じでないのかもしれないなあ~と思いつつ、「でも、この『指針』に即して取材してもらったら、今回の事故について、どこに課題があるのかがかなり表面化すると思うのだけど・・・」と思ったもので、新聞社さんへのアプローチをしてみました。

うまく取材につないでくださるといいのですが・・・。

<以下、東京新聞に送ったメール>

前略、先日ネット上で拝見した下記の記事のことで、ひとつ、お伝えしたいことがあって連絡させていただきます。

「組み体操の練習中に落下し骨折 注意喚起の通知後、練馬の区立中で」(2016年6月8日 朝刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/CK2016060802000117.html

実は私、ついこの3月末まで、文部科学省の「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議に委員として出ておりました。

また、この調査研究の成果をふまえまして、文部科学省はこの3月末に「学校事故対応に関する指針」を作成し、全国各地の教育行政当局に通知しております。

さて、この練馬区立中学校での組み体操事故につきましても、上記「指針」に則って、事故後の初期調査や詳細調査などの必要な手続きを行い、再発防止策を実施していく必要があると考えます。

また、この事故で大けがを負った生徒とその保護者に対しても、上記「指針」に即して、事実経過の確認・説明や、その後の就学に際しての適切な支援・ケア、さらには災害給付の手続き等が必要であると考えます。

さらに、事故の未然防止に関していうならば、この「指針」に即して、春先からどのような安全確保策が同校で取られたのかも気がかりです。

ですが、この記事からは、そのような「指針」にもとづく対応が行われているのかどうか読み取れず、私としては「せっかくできた『指針』が有効活用されているのかどうか・・・?」がとても気がかりでなりません。

もしも今後、この事故に関しまして、東京新聞として継続して取材されるようでしたら、ぜひともこの「指針」を参考にして取材をしていただければ幸いです。

なお、「指針」は文部科学省のホームページでダウンロード・閲覧することができますので、併せてお知らせします。

ご多忙のところほんとうにお手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いします。 草々

<以上、メールの内容紹介おわり>

【追記】

本当に「エビデンスにもとづく事故防止策の実施」が大事だと思うのなら・・・。

また、「教育行政が積極的に学校現場に対して事故防止策を実施するよう働きかけることが大事だと思うのなら・・・。

「このくらいのこと、事故防止の専門家として、すっとマスコミに対しても、教育行政に対しても、言わなきゃいけない」

・・・と私などは思ってしまうわけです。

「せっかく『指針』つくったのに、それを活用しない、活かそうともしないのは、おかしいではないですか?」

そのように言いたい気持ちも、私としては強くありますね。

だから今回の練馬区立中学校の組体操事故について、今まで組体操問題で積極的に発言してきた専門家が沈黙しているとしたら・・・・。

「あなた、ほんとうにそれでいいんですか?」と私なら言いたくなりますが。

 


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