できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

第三者機関の取組みの「質」が問われる段階に入りました。

2013-03-30 22:12:55 | ニュース
かなり間があいてしまいました。久しぶりの更新になります。今日は、まずはこのネット配信記事から。

http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=29000001303290008
(朝日新聞デジタル:自殺原因に学校生活/川西・いじめ 2013年3月29日付け)

私の古巣・川西市子どもの人権オンブズパーソンが調査をすすめてきた、川西市内の県立高校でのいじめ自死事案に関する調査結果のまとめが出されました。上の記事は、そのことに関するものです。
県立高校あるいは県教委に対して、市の条例で設置されたオンブズパーソンの調査がどこまで迫れるか・・・・。
そういう難しい課題を抱えながらの遺族からの申立ての受理、調査実施だったと思うのですが、紙面を見る限り、遺族側としても納得のしうるものになった様子がうかがえます。
まずは、川西市子どもの人権オンブズパーソンのこの間のご努力に、敬意を表したいと思います。

http://www.kobe-np.co.jp/news/kyouiku/201303/0005847783.shtml
(神戸新聞NEXT:川西いじめ自殺 4月以降も第三者委を継続 県教委 2013年3月26日付け)

と同時に、忘れてはならないのは、この件、兵庫県教委も独自に第三者機関を設置し、当該の高校について調査に乗り出していることです。
この川西市子どもの人権オンブズパーソンが出した調査結果などと、県教委の設置した第三者機関との間で、その見解に大きな差が出るということになれば、これはどちらの側も「どんな調査をして、何を結論づけたか?」が問われることになります。
いわば、同一の事案に複数の第三者機関が立ち上がって、その取組みの「質」が問われる段階に入ってきた、ということですね。
県教委の第三者機関は、川西市の子どもの人権オンブズパーソン以上に情報や資料などを入手しやすい立場にあるわけですから、より詳細で、ていねいな検証を行ってくださるものと、私は期待をしつつ見守っています。
と同時に、川西市の子どもの人権オンブズパーソンが出した報告よりも県教委の第三者機関のほうが、レベルの低い調査結果を取りまとめたとするならば・・・・。やはり、この種の調査実施にあたって本当に第三者性を担保するためには、教育行政からの独立を保障する何らかの「しかけ」が必要だ、ということになるでしょうね。
さてさて、県教委及び県教委のつくった第三者機関が今後、どんな風に動くのか。
私としては、興味深く見守りたいと思います。

ついでにいうと・・・・。
もはや、川西市の子どもの人権オンブズパーソンや、大津市の第三者委員会がが取り組んできたようなレベルでの調査、結果の取りまとめ、提言を出すことが、学校で子どもの亡くなる事案が生じたときの第三者機関の「最低ライン」というべきものになってきました。このレベルに達することのできない調査委員会、第三者機関等をつくることのないように、各地の教育行政や私学の設置者には求めたいところですし、文科省もそれを意識して各地の教育行政への支援を行ってほしいものです。





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする